南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

即刻解任すべきである —— <東アジア選手権>日本1-4韓国 【雑感】

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 試合後、ハリルホジッチ監督は「韓国の方が格上だったと思う」と述べた。まったくその通りだと、私も思う。

 

 ただしそれは、選手の個人能力ではない。戦術やモチベーションも含めたチーム力が、確かに日本と韓国の間には大きな差があった。それが、ほぼそのままスコア上にも表れたのだろう。

 

 では、その“差”は何に起因するのか。繰り返すが、選手個々の能力にそれほど開きがあったとは思えない。ACLを見ても、日本勢が韓国勢にさほど圧倒されているわけではないのだから。それがなぜ、14という屈辱的な結果となってしまったのか。

 

 それは、ハリルさん「あなたですよ」と言いたい。

 

 代表チームは、所詮が“寄せ集め”である。まして、今回は代表経験の浅い選手も多かった。クラブチームのように細やかな連携は、元より望むべくもない。だからこそ、最低限の“約束事”だけでも決めておくべきだ。それがないと、各人が勝手な判断をするようになり、急増チームがますますバラバラになってしまう。

 

 相手のレベルどうこう、ではない。今夜の日本代表は、そもそもサッカーチームとしての体をなしていなかった。

 

 とりわけ試合序盤から気になったのは、ボールの取りどころ、プレスを掛ける位置がはっきりしなかったことだ。前線からプレッシャーを掛けていくのか。それとも、中盤ではある程度相手にボールを持たせ、自陣に引き込んでから人数を掛けて奪うのか。……この辺り、Jリーグの上位チームの方がよほどきちんと出来ている。

 

 相手から如何にしてボールを奪うか、これはサッカーの基本だろう。この基本的な部分でさえ曖昧なのだから、他の部分は推して知るべしである。

 

 守備時には、人数が揃っているにも関わらず、奪いに行くのかコースを消すのかはっきりせずに、突破を許してしまう。攻撃時には、ショートパスで崩していくのか、ドリブル突破を図るのか……どうやってシュートまで持っていくのかが分からない。そうこうしているうちに、相手にボールを奪われ、カウンターを浴びてしまう。攻めるにしても守るにしても、一体何をしたいのかがよく分からない。

 

 はっきり言って、これは監督の責任である。

 

 ハリルホジッチ監督は、自分が招集した選手達に、彼らがなるべく迷わずにプレーできるように最低限の約束事を伝えているだろうか。その疑問さえ浮かんできた。いや、伝えたつもりだろうが……おそらく選手達には伝わっていない。きっと伝え方が“下手”なのだろう。

 

 とにかく、基本的な約束事さえ曖昧なままピッチ上に放り出されて、それで上手くいかないからといって選手を責めるのは、アンフェアである。「だから国内組はダメだ」などと斬り捨てないで欲しい。むしろ、よく北朝鮮と中国を破り、韓国に「引き分け以上で優勝」という状況にまで持ち込めたものだ。本当に“国内組”の能力が低ければ、一勝もできなかったに違いない。

 

 どうやら今夜で、結論が出たようだ。

 

 本ブログで、私は再三ハリルホジッチを批判してきた。理由は、戦い方の「引き出しの少なさ」である。W杯アジア予選の時から、こちらの戦術と相手との特徴が上手く嵌れば良いが、そうでない時には明らかな格下チームにも苦戦する傾向があった。

 

 それでも、ハリルホジッチの戦術は「格上のチームに対してより効果的だ」という言説も聞かれていたから、期待もしていた。ところが、先日の欧州遠征の二試合(ブラジル戦、ベルギー戦)と今日の韓国戦を見る限り、そこも怪しいと見た。

 

 何より「日本より強いことは戦う前から分かっていた」などと、試合前から白旗を上げていたと疑われかねないような情けない発言をするようでは、チームとしての士気が上がるはずがない。何より本気で勝とうとしなかった監督の指示に従わされる選手が、とても気の毒だ。コメントを聴いて、ハリルホジッチに不信感を持つ選手が出てきてもおかしくない。

 

 結論——即刻、ハリルホジッチ監督を解任すべきである。優秀な指導者には違いないが、少なくとも「日本には」合わなかったのだ。これ以上続投させると、日本サッカーにとって良くないというだけでなく、彼自身のキャリアにも傷を残すことになりかねない。

 

 こう言うと「他にいるのか?」とおっしゃる方もいるだろうから、“代案”も述べておくこととする。後任には、今から探してくる時間もないだろうから、手倉森誠コーチを昇格させるのがベターだろう。彼には五輪代表監督の経験もあるから、短期間でチームをまとめあげるノウハウは持っているはずだ。

 

 はっきりと結論を出させてくれたのだから、今日に限っては「韓国ありがとう」と言いたい。中途半端な結果では、現体制の問題点を浮き彫りにすることができなかった。優勝の懸かった、それもホームでの試合で14。先制しながら、終わってみれば3点差の大敗。……もう、これ以上の“引導”はない。