南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

鹿島は”死んだ”――ジーコは、まず「焼け野原」を見ることになる

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 試合が落ち着かない。選手とボールが目まぐるしく上下動を繰り返す。これをアグレッシブと評すべきではない。リードを奪っているのだから、もっと落ち着いてボールを動かした方が良いのでは……と思った矢先。FC東京の絵に描いたようなカウンターから、あっさり守備網を破られる。

 

 先取点を挙げてから、僅か6分後の出来事だった。そして後半、ほぼ似たような形から、交代出場のリンスに勝ち越し点を許す。2点とも、あまりにもあっけなくゴールを割られた。もう、落胆も何も感じない。

 

 集中力を欠いた守備以上に深刻だったのは、攻撃である。前節のガンバ大阪戦に続き、この試合もまるで見せ場を作れない。相手守備網を崩せた場面は、この2試合でほぼ皆無だった。再開後の3試合で11得点を奪い、一時は復調したかに見えたが、それは“張子の虎”だったようだ。対策されると、無力だった。

 

 試合後、大岩剛監督は「連戦のツケが回ってきた」と口にしたらしい。

 だったらなぜ、試合のテンポを落とし、体力の消耗を避けるような対策を講じなかったのか。そしてなぜ、運動量の落ちてきた中盤に、選手交代等で手当てしなかったのか。もちろん、この過密日程は解消しなければならないが、あらかじめ分かっていたこと。打つべき手を打たなかった上での、あのコメントならば、それは言い訳にしか聞こえない。

 

 個人的にも、反省しなければならない。再開後の3試合、単に不調のチームが相手だったにも関わらず、複数得点で快勝したことを“復調の兆し”と捉えてしまった……いや、そう捉えようとしていた。この期に及んで「鹿島はまだ大丈夫」だと、無理やりにでも思いたかったのだ。

 

 もはや認めなければならない――鹿島アントラーズは「死んだ」のだ、と。

 

 今の“鹿島”は、鹿島と同じユニフォームを着た別のチームだ。勝利への貪欲さを忘れ、ファンやサポーターの重いを忘れ、何より鹿島というチームの哲学さえも忘れ去った。こんなチームが勝とうが負けようが、何の歓喜も痛苦も感じない。

 

 ファンとしてあるまじき発言を、あえてさせてもらおう。明日の清水エスパルス戦、私は鹿島を応援しない。いやむしろ、負けてしまえと思う。当分立ち直れなくなるくらい、無残な敗北を。そうすれば、何の未練もなく、諦められる。

 

 

――ここまで書いたところで、ジーコ来日の報を聞いた。また来日に際しての、彼のメッセージも読んだ。来日早々、気の毒だが……彼は「焼け野原」を見ることになるだろう。

 

 ジーコだけではない。私のようなファンも、サポーターも、チーム関係者も。まず現実を直視することから、やり直さなければなるまい。