南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

鹿島アントラーズよ、このまま死ぬつもりなのか? ――哲学も魂も失った鹿島フロントは、もはや”プロ失格”

 

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 JFA(日本サッカー協会)が、W杯本大会直前にハリルホジッチを解任したことに関しては、大会が終わって一ヶ月近く経過した今なお賛否両論あるようだ。

 

 ハリルホジッチ解任劇に関しては、何度も当ブログで書いてきたので、改めて論ずることはしない。確かにドタバタした印象は拭えないから、解任に否定的な意見の人もいるのだろうとは思う。

 

 ただ是非はともかく、田嶋幸三会長が自身の責任を以って、解任を「決断した」こと自体は、評価すべきである。なぜなら、それが組織を預かるリーダーの役割だからだ。

 

 

 もちろん、ハリルホジッチ以下日本代表チームへの、田嶋会長始めJFAのサポートが十分だったかどうかは、別問題である。この辺りの検証は、次の四年間における強化の方向性を決める上でも必要で、そこが十分になされていないように思われるから、未だに批判を浴びてしまうのだろう(個人的には、ハリルホジッチのエキセントリックな言動から、十分なサポートがあったとしても結果は同じだったと思うが)。

 

 それでも、リーダーは目の前の問題を解決するため、決断を下さなければならない時がある。たとえ当事者や周囲の反感を買うことになっても。明らかに良くない現象が生じているにも関わらず、何もしないでいるのは、職務放棄も同然である。

 

 極端な言い方をすれば、結果としてより事態を悪化させることになったとしても――その場合は、さらなる批判を甘んじて受け、潔く地位から降りる。「判断・決断・責任」とよく言われるが、これこそリーダーの本来あるべき姿だ。

 

 田嶋氏も、W杯直前に監督解任を行えば、世間から非難されることぐらい承知していたはずだ。それでも、彼はリーダーとして「ハリルホジッチのままでW杯は戦えない」と“判断”し、非難覚悟で実際に解任する“決断”を下した。だから、少なくとも最低限の職責は果たしたと言える。

 

 事実として、あの時点での日本代表チームは、かなり行き詰った状態にあったのだから、何らかの手は打つべきだった。万が一、解任することでより悪化する危険性もあったが、何もしないよりはずっとマシだ。そして、結果として田嶋氏の“判断”と“決断”は、日本代表を正しい方向へと導くことになったのだ。

 

 

 判断・決断の成否は、結果論で語られることが多い。だが実際は、100%正しく判断し決断するなど、不可能だ。実際は、限られた判断材料だけで、ほとんど勘を頼りに「これが正しい」と“決める”しかないというのが、世のリーダー達の現実ではないだろか。

 

 確かに時期は遅かったし、メディアやハリルホジッチ本人に対しての説明も、相手に上手く伝わらなかったことは否めない。そもそもJFAとしてのサポート体制自体、十分だとは言えなかったかもしれない。

 

 しかし、仮にそうだったとしても、田嶋氏が「ハリルホジッチを解任すべきでなかった」という理由には、ならない。メディアへの説明やサポート体制と、JFA会長としての仕事である監督人事は、本来別個のものである。意図的にハリルホジッチの足を引っ張り、代表監督の座から引きずり降ろそうと企んでいたのならともかく(そうでなかったから大会直前のぎりぎりのタイミングになった)、チーム状況を改善するために仕方なく決断したのなら、それ自体を責めるべきではない。決断が効果的だったかどうかは、後に検証すれば良い。

 

 だから、この際はっきり言っておこう――鹿島アントラーズのフロントへ。悪いことは言わないから、さっさと大岩剛監督を解任せよ。と……

 

 昨シーズン、石井正忠前監督の成績不振による解任直後、“内部昇格”という形で大岩監督の就任が決まった。それも暫定ではなく、正規監督である。

 

 鹿島のフロントは、おそらく大岩監督に「(前監督の)尻ぬぐいをさせた」ことの負い目があったのだろう。だから、昨シーズンに悲惨な形でリーグ優勝を逃し、雪辱を期したはずの今季、リーグ7位という体たらくであっても、「無理をさせて監督を頼んだのだから、ちょっと勝てないからといって解任できない」と思っているのかもしれない。

 

 もちろん推測に過ぎないが、もしそうだとしたら、彼らは“プロ失格”だと思う。筋を通すということを、かなり履き違えている。

 

 大岩監督を今季も続投させたことは、鹿島フロントの明らかな失策である。昨シーズン終盤から、やはり監督未経験者の力量不足を露呈させていたからだ。これは私だけでなく、多くの鹿島ファン・サポーターが思っていたことだが、そうした周囲の声を押し切って続投を決め、その結果が今の惨状なのだから、フロントは責任を取るべきである。

 

 いや、感情的に「フロントの人間も一緒に辞めろ」と言いたいのではない。大岩監督を続投したことの、判断の不味さをまず素直に認めること。それから、非礼は承知の上で、彼に解任を通告する。半ば無理やり監督就任を要請したのだから、再就職先はこちらで探し、紹介する。……このような手続きを踏めば、多少なりは感情的なしこりが残るかもしれないが、それも最小限に留められるはずだ。

 

 一番不味いのは、事態を放置することだ。試合に勝てないというだけでなく、チームの空気がますます悪化し、選手達の心がチームから離れてしまう。

 

 まして鹿島は、「貪欲に勝利を目指すこと」を信条としている。そんなチームの首脳陣が、勝つために最善を尽くそうとしないのなら。そういう姿を選手達が見ているとするならば……下手すれば、チーム崩壊となる。ここ数試合の、まるで改善が見られないパフォーマンスを見れば、現に今、そういう事態に陥っているのではないかとさえ危惧する。

 

 今の鹿島は、一番大事なチーム哲学を、言い換えればチームとしての“魂”を、すっかり失くしてしまっている。哲学も魂も失くしたチームなど、何の魅力もない。応援する価値はない。……正直、私はそう思っている。

 

 もはや私は、鹿島アントラーズというチームを見捨ててしまいたい。いっそ負けろ、とさえ思わない。勝とうが負けようが、もうどうでもいい。ACL? ルヴァン杯? そんなの、勝手にやってくれ。

 

……もちろん、遠隔地に住みスタジアムにさえ行けない私がファンをやめたところで、何の影響力もないことぐらい、分かっている。

 

 だが、鹿島のフロント及びチーム関係者は、一つ覚えておいて欲しい。私と同じような感情を抱いている人間が、確実に今増えつつあることを。

 

 

―― 鹿島アントラーズよ、このまま死ぬつもりなのか? どうなんだよ、いい加減に答えろよ! ――