南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

ことごとく描写が甘く、大コケ6連発――俳句ポスト365・兼題「雪兎」

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 辛うじて一句「並」選に採ってもらえたとはいえ、感覚的には久々の“大失態”だ。

 

  今回は、おちゃらけたキャラクター“南風の記憶”の語りではなく、私自身の率直な言葉で「俳句ポスト365」<兼題「雪兎」>の結果を振り返ることとしたい。

 

 正確には……そうしたいというよりも、キャラクターを演じる余裕がない(苦笑)。それぐらい凹んでいる。と言っても、結果自体にではなく、投句した時に「良い句を作れた」と思い込んでいた、自分自身の“見る目のなさ”に、である。

 

投句一覧

結果

①笹の葉を二枚取りおき雪兎

<没>

②雪兎道真公の在りし庭」

<没>

③てんてんと小さき足あと雪兎

<没>

④南島の庭へしんしん雪兎

<没>

⑤雪兎イーハトーブを駆ける風……<没>

<没>

⑥子らの声とけゆく風の雪兎……<没>

<没>

⑦不揃いの瞳の色ぞ雪兎

「並」選入り

 

 投稿した句を見比べてみて、愕然とする。兼題「雪兎」について描写したのは、「並」選となった僅か一句だけだ。これでは「雪兎」の印象が薄くなってしまう。

 

 意図としては、あえて「取り合わせ」部分を描写することで、季語である雪兎を引き立てようとしたのだが、その「取り合わせ」部分にしても、描写が甘い。悔しいが、これでは落選も当然だと納得するほかない。

 

 このままだと気が済まないので、いつものように<没>句を自分なりに推敲してみた。ただし、推敲句も「良くなった」とは限らないので、悪しからず(ペコリ)。

 

①笹の葉を二枚取りおき雪兎

→(推敲句)「盆一つ余らせ並ぶ雪兎」

 

 原句の「笹の葉を二枚取りおき」というのは、その場に来られない友達がいて、その子のために(雪兎の材料である)笹の葉を取っておいたという意味……だったのだが、読み返すと状況が分かりにくい。

 

 そこで、複数の雪兎が並んでいる傍らに、何ものっていない盆が一つある、いや余らせられている光景にしてみた。これだと、読み手は「どうして余っているんだろう」「もしかして誰か来られなかったのかな?」と自然に想像するのではないだろうか。自信はないが……(汗)。

 

②雪兎道真公の在りし庭

→(推敲句)「雪兎道真公の手を癒し」

 

 道真公とは、「学問の神様」として知られる“悲劇の宰相”菅原道真のこと。左遷された道真が、雪兎に僅かでも心癒される時があったのでは……と想像したのだが、これも描写が足りず、意図が伝わらない。

 そこで、道真の「手」を癒すと書くことで、彼が雪兎を愛で、傷心を慰められる光景へと変えた。……もっとやりようはあるのかもしれないが、今の私にはこれが精一杯。

 

③てんてんと小さき足あと雪兎

→(推敲句)「足跡と転がる盆と雪兎」

 

 「プレバト!!」なら、夏井先生に「てんてんとしない足跡があったら持ってこい」と言われる句(笑)。

 私としては、謎めいた句を詠もうと思った。雪兎の近くに足跡があり、「誰の足跡だろう」「雪兎を作った子供? それとも、まさか雪兎が歩き出して」と思わせたかった。発想は面白いと思うのだが……これも描写が甘く、失敗。

 そこで、雪兎が歩いたのかもと思わせられるように、もっと状況を具体的にしてみた。盆が転がっていて、そこに足跡があれば……「もしかして?」と思うだろうか。

 

④南島の庭へしんしん雪兎

→(推敲句)白く降る空を届けん雪兎

 

 こちらも“ファンタジー”な世界観を作ろうとして、失敗した句。本来雪が降らない「南島」に、雪兎が雪を降らせてくれるかも……と想像して詠んだのだが、やはり描写が甘く(このフレーズ、何度目だろう(汗))、伝わりづらい。

 

 ただこの句、言いたいことを全部表現しようとすると、パンクしてしまう。せめて、雪兎が「雪を届けてくれるんじゃないか」と伝わるように推敲した。

 当然「雪」と書くと“季重なり”になるので、「白く降る空」と比喩を用いた(「プレバト!!」における梅沢富美男の句「義士の日のまねきに白く降る夜空」を参考にしました)。

 

⑤雪兎イーハトーブを駆ける風

→(推敲句)双眼はイーハトーブへ雪兎

 

 イーハトーブとは、宮沢賢治の造語で「理想郷」のこと。彼の故郷・岩手を指しているとも言われている。

 これもファンタジーな世界を作ろうとして、失敗。このパターンで、今回ことごとくコケてしまった。どうも“ファンタジー句”は苦手らしい(泣)。

 正直、苦し紛れだが、二つの目(双眼)がイーハトーブを見つめているのではないかと想像できるように、言葉を変えてみた。これなら、まだリアリティが出るかも……?

 

⑥子らの声とけゆく風の雪兎

→(推敲句)「雪兎溶け出す子らの声遠のく」

 

 こちらは、語順をいじり過ぎて、かえって伝わりにくくなってしまった。私としては、「雪兎が溶けていく」のと「子供達の声が風に溶けるように消えていく」のと、二つの意味を重ねたかったが……この発想自体も、今思うとあまり面白くない(汗)。

 せめて「雪兎が溶ける」様子、「子らの声が遠のいていく」様子、二つを対比させてみるも……繰り返すが、そのもの発想が“凡”のため、さほど変化なし(苦笑)。

 

⑦不揃いの瞳の色ぞ雪兎

→(推敲句)「双眼の赤の濃淡雪兎」

 

 辛うじて「並」選となったが、これも描写が甘い。瞳の色が「不揃い」だと変化を付けたことを評価していただいたのだろうか。

 

 「不揃いの(瞳の)色」ということを、もっと具体的に描写できる。雪兎の目は南天の実を用いる。私としては“色の濃い実と薄い実がある”という意味だったのだが。夏井先生なら、こう言うだろう――「なぜ、そう書かないのか」と(笑)。

 

 南天の実は赤いのだが、同じ赤でも濃淡の違いがある。これを描写すれば、もっと映像が鮮やかになるだろうか。

 

 それにしても、こんなに大コケしたのは久しぶりだ。この頃、俳句を「分かった気」になり、油断していたように思う。やはり、一足跳びに上手くなるということは難しいらしい。もっと謙虚に学ばねばと、大いに反省させられた。

 

雪兎の結果発表|俳句ポスト365