※このコーナーは、私が「俳句ポスト365」及び「通販生活―よ句もわる句も―」(いずれも夏井いつき先生が選者)に投稿した俳句を紹介します。 私の(安定の)没句と(マグレの)入選句について、自分なりに考えた結果の要因を、夏井先生が“言いそうなフレーズ”に乗せ、面白おかしく書いていきます。 私と同じ俳句初心者の皆様の参考になれば(私と同じ失敗はしないように・笑)と、あえて「恥」を晒していきます(汗)。 |
兼題「マスク」(『通販生活』―よ句もわる句も―)
マスクの子出席印を三月空け(南風の記憶)
【句に込めた意味】
長期入院か不登校で、しばらく休みが続いていた生徒を迎える、教師の視点で詠んだ子。久しぶりに教室を訪れる子の不安と、周囲の何とも言えない空気感を、季語「マスク」に託した……の、だが(汗)。
結果:没<凡人55点>
【夏井先生に言われそうなこと】
※例の風流なBGMをバックに……
夏井先生:やろうとしたことは、決して悪くないですヨ。
何らかの事情があって、久しぶりに教室を訪れる生徒の不安感と、周囲の何ともいえない空気感ってありますよね。これを「マスク」という季語に託す、と。発想自体は、面白いと思います。
ただ……モッタイナイのが、下五です。
出席印を「三月空け」という言い方。これは映像ではなく、説明する言い方です。映像の描き方が中途半端。
まぁ「出席印」という“モノ”を持ってきたところまでは、良かったのですが、「三月空け」では、出席印がどういう状態になっているのか、イマイチはっきりしません。
本当に惜しい。モッタイナイ。この句は、映像を描くということの詰めが甘かったと言うほかありません。
ワタクシ(南風の記憶)による推敲句
子のマスク出席簿の空白二列
夏井先生:これで、何とか映像にはなりましたネ。ただ……休みが続いていたということと、季語「マスク」の距離感が、近いのも気になります。この辺が改良されると、「人」選レベルに近付けます。
【「プレバト!!」名句コーナー】
※夏井先生の添削→新緑の背骨と化せりリフトの銀
当時、夏井先生に“無難に置きにきている”と、再三その冒険心のなさを指摘されていた石田が、思い切ったチャレンジを敢行し、特待生5級から4級へ見事昇格を果たした句(2016年4月28日放送)。リフトが「新緑の背骨となっている」という、鮮やかな描写が印象的。さらに、夏井先生による添削で、“新緑”とリフトの“銀”とが対比され、より新緑の美しさが強調される句となった。 |
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