※このコーナーは、私が「俳句ポスト365」及び「通販生活―よ句もわる句も―」(いずれも夏井いつき先生が選者)に投稿した俳句を紹介します。 私の(安定の)没句と(マグレの)入選句について、自分なりに考えた結果の要因を、夏井先生が“言いそうなフレーズ”に乗せ、面白おかしく書いていきます。 私と同じ俳句初心者の皆様の参考になれば(私と同じ失敗はしないように・笑)と、あえて「恥」を晒していきます(汗)。 |
兼題「ていれぎ」(俳句ポスト365)
※ていれぎ……和名オオバタネツケバナの松山地方での方言名
五本目の草のみていれぎのピリッ(南風の記憶)
【句に込めた意味】
「ていれぎ」という草を探す。五本ほど集めたが、どれか分からない。いっそ味で調べようと思い、噛んでみる。すると五本目の草だけ、ていれぎ特有の「ピリッ」という辛みがした。やっと見つけた、これが「ていれぎ」だ!
結果:没<凡人50点>
【夏井先生に言われそうなこと】
※例の風流なBGMをバックに……
夏井先生: ていれぎを探して、それっぽい草を集めて、わざわざ噛んで味わってみたのですか。その執念には、感服致します(ニヤリ)。しかし……残念ながら、その努力は実りませんでしたネ(苦笑)。
何が問題かと言うと、「描写が甘い」のです。ていれぎは、確かに辛みがありますが、山葵(わさび)や辛子(からし)のように、はっきりした辛さではありません。それを「ピリッ」とだけ書くのは、あまりにも雑過ぎます。もう少し、ていれぎ特有の味が読み手に想像できるような描写でなければ、凡人の域を脱することはできません。
ワタクシ(南風の記憶)による推敲句
ていれぎを噛めば瑞々しき辛味(からみ)
【「プレバト!!」名句コーナー】
壺焼きの壺傾きてジュっと鳴る(千原ジュニア)
先日放送の「プレバト!!<春光戦>」(2019年4月4日放送)にて、予選通過を果たした一句。 やはりこの男、明らかに腕を上げてきている。この句も、夏井先生が「淡々と描写した」「俳句はこれで良い」と評しておられたように、これぞザ・俳句。この句を匿名でどこかに応募したとしても、おそらく入選できるレベルではないだろうか。 とりわけ、中七の「壺傾きて」の描写が見事である。壺焼きをよくよく観察なければ、壺が傾いていく場面を“発見”することはできない。この描写があってこそ、下五の「ジュっと鳴る」の音が効いてくる。 決勝こそ、僅かなミスで上位進出を逃したが、ここ一年ばかりの千原のレベルアップぶりは、本当に目を見張るものがある。人気タレントとして多忙な中、出演回数との兼ね合いもあるが、年内の“名人昇格”も十分射程圏内だろう。 |
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