※このコーナーは、私が「俳句ポスト365」及び「通販生活―よ句もわる句も―」(いずれも夏井いつき先生が選者)に投稿した俳句を紹介します。 私の(安定の)没句と(マグレの)入選句について、自分なりに考えた結果の要因を、夏井先生が“言いそうなフレーズ”に乗せ、面白おかしく書いていきます。 私と同じ俳句初心者の皆様の参考になれば(私と同じ失敗はしないように・笑)と、あえて「恥」を晒していきます(汗)。 |
兼題「サイネリア」(俳句ポスト365)
サイネリア寄り添う朝の旧校舎(南風の記憶)
【句に込めた意味】
朝の景色の中に、旧校舎がひっそりと佇んでいる。その傍らに、サイネリアが咲いている。まるで寂しき旧校舎にそっと寄り添っているようだ。
結果:没<凡人60点>
【夏井先生に言われそうなこと】
※例の風流なBGMをバックに……
夏井先生: 決して悪い句というわけではないですヨ。
朝になると、今の校舎には生徒達が集まってくる。でも、旧校舎にはもう誰も人が寄り付かない。その寂しさを癒すかのように、花が咲いている。中七の「寄り添う」という動詞も、考えて選んだのだろうと思います。
ただ……問題は、季語「サイネリア」を持ってくることの是非です。
サイネリアは、どちらかというと鉢に植えて、人の手をかけて育てるイメージがあります。それが人の来なくなった旧校舎に咲いているというのは、ちょっと違和感がある。この場合は「タンポポ」ですとか、地面に自生する植物の方が良いでしょうね。
発想は悪くないのですが、句の内容と季語の取り合わせに、小さな齟齬があった。これは本当に惜しかったと思います。
ワタクシ(南風の記憶)による推敲句
タンポポの寄り添う朝の旧校舎
【「プレバト!!」名句コーナー】
凍雲のモノクロ赤煉瓦のレトロ(舟山久美子)
モデルとして活躍している舟山久美子の、モデルらしい色彩感覚優れた、鮮やかな一句である(2017年1月26日放送)。後半の「赤煉瓦のレトロ」という措辞が、前半の季語の描写「凍雲のモノクロ」をより一層引き立てている。 さらに、放送回にて夏井先生も評しておられたように、「凍雲“の”モノクロ」「赤煉瓦“の”レトロ」、「〇〇の〇〇」という型を使った対句表現も上手い。 名人・特待生達の安定感ある秀句も良いが、一般ゲストの句の中にも、このようにキラリと光る作品と出会えたりする。これもまた『プレバト!!』の魅力の一つである。 |
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