南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

学校で最も立場が弱いのは、子供でも保護者でもなく、経験の浅い若手教員である! <雑記帳「日々、感じたこと・考えたこと」>

 ツイッターで告知した通り、現在ブログは休止中なのだが、あまりにも身に染みるものがあったので、取り急ぎ筆を執ることにした。

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 私も20代の頃、学校で働いたことがあるので、まったくの他人事だとは思えなかった。あまりにも痛ましい。しかし、さほどの驚きはない。

 

 これはもう、断言して良いだろう――学校において最も立場が弱いのは、子供でも保護者でもなく、経験の浅い若手教員である。

 

 学校は、その業務量が雑多なわりに、コンビニやファーストフード店のようなマニュアルがない。大まかな事柄は書面等で引き継いでもらえるが、基本的に日々の業務の分からない点は、すべて先輩の教員に教えてもらわなければならない。

 

 もう一度言う。マニュアルがないため、日々の業務の分からない点は、すべて先輩の教員に教えを請わなければならない。これが、どれだけ恐ろしいことがお分かりだろうか。

 

 つまり、少しでも先輩の機嫌を損ねたら……アウト、である。

 

 先輩の機嫌を損ねてしまえば、必要な情報を教えてもらえなくなり、途端に仕事ができなくなる。そうなったとして、周囲は「先輩の教員が教えてくれないから仕事ができない」とは見ない。「あの若手が力不足だから」と見られる。

 やがて、校内のあちこちで「(若手の)〇〇先生には困ったもんだ」と噂が広がるようになり、当人は居場所を失い、精神を病んでいく――こうした現象が、それこそ全国の学校園場で起こっているだろうということは、容易に想像できる。

 

 ついでに言うと、最近の子供は「先生を値踏み」する。「今度の若い先生は、何もできなさそうだ」「若い先生だから、ちょっとくらい好き勝手しても大丈夫だろう」と見てくるのである。

 そして露骨なほど、他の先生と接する時と、大きく態度を変える。ベテランの先生には素直な態度を取る子が、若手の先生には途端に反抗的な態度を取るというのは、特段珍しいことではない。

 

 もちろん、そうした若手の“立場の辛さ”を理解してくれる、心ある教員もいることはる。だが、全員が全員そうではない。また、内心では若手を気にかけてはいても、自身の業務に追われ、そこまで手が回らないという実情もある。

 

 神戸市の小学校のような、心ない教員がいたとして……学校現場では、それこそパワハラモラハラは、やりたい放題だろうと思う。

 若手の立場の弱さに付け込むことなど、簡単である。仕事の仕方の至らない点(若手だから当然)をネチネチと指摘していく。それがやがて、若手の人格的な部分にまで及ぶ(「気が利かない」「素直さがない」など)。

 

 ここで、内心反発を感じる若手なら、まだ良い。

 教員を志すような人は、大抵が真面目な方だから、真に受けてしまうのだ。自分が悪いから、このようなことを言われると、思い込んでしまう。また研修等で、先輩の助言は「素直に聞くように」と言われているから、多少相手の言葉がキツくても、受け入れなければならないと、自分に言い聞かせようとする。

 

……加害者からすれば、こんなおいしい“カモ”はいないだろう。

 

 

 

 もちろん中には、ベテランの先生方が手を焼くような“問題のある若手”がいることも、事実である。そういう者こそ、すぐに「パワハラモラハラだ」と騒ぎ立てるので、本当に辛い思いをしている若手の声が届きにくいというのも厄介だ……

 

 とにかく、もう少し学校における若手教員の立場が守られるような取り組みは、必要ではないだろうかと思う。具体的には二つ。

 

 一つ目は、やはり最低限のマニュアルを作成すること。よく学校では、若手に対し「分からないことは聞きなさい」と声が掛かるが、一から十まで聞くのはあまりにも非効率だし、聞く方も聞かれる方も負担が大きい。

 例えば、「○○小学校 ~教員の一日の仕事~」というふうに、最低限その日やるべきことをまとめておく。そうすれば、若手が現場で右往左往することも減るはずだ。

 

 二つ目は……「若手教員への接し方」を、児童生徒や保護者に対して啓蒙していくこと。「若い先生にも敬意をもって接すること」「若い先生が困っていたら、他の先生に助けを借りること」――悲しいことだが、ここまでやらないと、若手がどんどん潰れていく現状を変えていくことは難しいと思う。

 

 それにしても、件の学校は「子供達がおりこうさんばかりで、よほどヒマだったのか」と皮肉をぶつけたくなる。

 私が昔勤めていたのは、比較的落ち着いていると言われていた学校だったが、それでも先生方は授業研究だ、生徒指導だ、保護者対応だ……と大変忙しくしておられた。若手をイビる時間など、なかったのだ。

 

 ただでさえ「子供も保護者も難しい」時代だと言われているのだから、せめて職員間だけでも良好な関係を築く努力はすべきだろう。少なくとも、同僚を「若手だから」と軽く見ていびり立てるような、そんな余裕(?)は、もうないはずだが……