南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

<2020年・沖縄高校野球>本部高野球部に選抜出場を果たしてほしい、三つの理由!

 

f:id:stand16:20190707211434j:plain

 

<はじめに>

 

 いよいよ春の選抜甲子園大会の出場校発表が、来週(令和2年1月24日)に迫った。

 

 我が沖縄からは、本部高が21世紀枠の最終候補・9校の中に残り、出場の可能性を残している。このブログでも何度か触れたように、同校は県秋季大会8強ながら、優勝校の沖縄尚学を最も苦しめた実力校だ。

 

 例年ならこういう他力本願はしない。だが……この本部高だけは、是非とも選ばれて欲しいと思っている。全国の舞台で勝てるかどうかは別にして、どんな形であれ「選抜出場」という結果を手にしてもらいたい。

 

 なぜなら、彼らはとても良い“取り組み”を行っているからだ。以下に、その理由を述べていく。

 

【理由1】

 

 一つ目は、「SNSを活用した情報発信」である。

 

 Twitterを利用している方であれば、ご覧になったこともあるだろうと思う。本部高野球部は、日頃の練習メニューや“補食”などの光景を、Twitter上にアップしている。

 

 従来の高校野球部は、なかなか(良くも悪くも)内部の情報を外へ伝えようとしなかった。もちろん生徒のプライバシー保護や、他校へ戦術上知られたくない事項もあるので、なんでもかんでも公開すべきとは言わない。

 

 しかし、すべて秘密にしてしまうと、「どんな練習をしているのか」「指導者はちゃんと見ているのか」「トラブルを放置していないか」など……内部を“知らない”ことで、余計な摩擦を生んでしまいかねない。

 

 だからこそ、オープンにできる部分はオープンにして、周囲(父母会や地域住民、OBら)の理解を得る。これも立派なチームとしての戦略である。

 

【理由2】

 

 二つ目は、前述した“補食”の取り組みである。

 

 近年の高校野球では、選手の栄養面をしっかり管理して体づくりを行っていくことが、もはや常識となっている。(もちろん、むやみに“大型化”を図ることの弊害も指摘されているが、それは差し置いても)食事の重要性については、今さら論ずるまでもない。

 

 そこを、本部高野球部はしっかりと押さえている。公式アカウントの発信によると、元々は現美里工業野球部監督・神谷嘉宗先生からの助言により、実施(他校の指導者であっても、良い面は学んで取り入れるという、本部高野球部首脳陣の柔軟さも伺える)するようになったという。

 

 ここまで読まれた方の中には、疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれない。本部がやっていることなんて、他にもやっている学校はあるよ、と。

 

 その点は、私も承知している。また「こういう取り組みをしたから、本部は選抜候補に残れた」などと、乱暴な意見を述べるつもりはない。実はここに、もっと重要なポイントが隠されているのである。

 

【理由3】

 

 これこそが、三つ目の理由――本部高の取り組みが、沖縄高校野球界に“良い文化”として広がって欲しいからだ。

 

 高校野球部の難しい点は、指導者一人の力では、どうにもならない部分があると。

 

 生々しいことを言えば、いわゆる「人・カネ・モノ」が絡む。指導者がやりたいと思っても、周囲の協力が得られなければ、それは絵に描いた餅に終わる。

 

 もしかしたら、本部高や美里工の野球部と同じ取り組み(それこそSNS活用や補食など)をしたいと指導者が思っていても、周囲の理解が得られずに、実現できずにいる所もあるのかもしれない。

 

 だからこそ、本部高が選抜出場を果たした暁には、それらの取り組みがメディアを通して「良いこと」だと紹介される。こうなれば「だったらウチも……」と、取り入れる学校が増えてくるだろう。

 

 良し悪しは別にして、「結果を出したチームの取り組み」というのは、(時として過剰に)評価される傾向がある。本部が選抜出場を果たせば、これらの取り組みが“良いもの”として、広く認識されるようになるに違いない。

 

 繰り返すが、沖縄高校野球界に“良い文化”を広げるためにも、本部高野球部には全国の舞台に立って欲しいと思う。

 

(本部高野球部の公式アカウント)

※かなり興味深い情報を発信しているので、是非一度ご覧ください。

twitter.com