南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

<考察>“夢の対決”ドカベンvsプレイボール ~谷口率いる墨高が、もしドカベン・山田太郎の明訓高と対決したら!?~

 

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<はじめに>

 

 先月より、二次小説投稿サイト「ハーメルン」にて、小説「続・プレイボール」を転載アップしている。その際、偶然にも私と同じく「プレイボール」の二次小説を書いている方を見つけることができた。

 

syosetu.org

 

 この方は、私にはない自由な発想で“高校野球漫画の金字塔”ともいえる名作「ドカベン」と、「プレイボール」とのクロスオーバー作品を手掛けておられる。そこで私も大いに触発され、自分なりにドカベン擁する明訓と、谷口タカオ率いる墨高が対戦した場合どうなるのか、考察してみることにした。

 

 

1.墨高にとって“相性が悪い”明訓というチームの特徴

 

 結論から言えば――墨高は分が悪い、と私は考える。その理由は二つ。

 

 一つ目は、明訓が滅法「接戦に強い」チームだということ。

 墨高が格上チームを破った試合は、現実にもありがちだ。すなわち力で劣ると思われていた墨高が、予想外の粘りを見せ「こんなはずでは……」と焦り、相手が足を掬われる展開である。

 

 ところが明訓は、格下を圧倒して勝つという展開が、そもそも少ない。良くも悪くも、相手に合わせた野球をしてしまう。しかし最後は、終盤のチャンス(主に山田のホームランだが・笑)を生かし、競り勝つというパターンだ。

 

 接戦慣れしているから、焦って本来のパフォーマンスが出せないということもない。これでは、同じくねばって終盤のチャンスでもぎ取る墨高の力が、相殺されてしまう。

 

 二つ目は、明訓というチームの“長所がはっきりしない”点だ。

 

 もちろん選手一人一人の個性はある。悪球打ちの岩鬼、秘打・殿馬小さな巨人・里中、好打者・微笑、そしてドカベン・山田。

 

 しかし、どうも“チームとしての特徴”が見えづらい。

 

 毎試合大量点を取っているわけじゃないので、打力のチームとは言えない。いわゆる“明訓五人衆”以外は、ちょいちょい守備でポカもしているので、堅守というのも違う。じゃあ山田のワンマンチーム? いや、他のメンバーが勝敗に関わる活躍を見せることもあるので、そうとも言い切れない。

 

 翻って墨高は、相手をよく研究し、その長所を抑えるか弱点を突くかして、勝ってきたチームだ。そうした戦い方が、明訓相手にはやりづらいと思われる。

 

 順当にいけば――やはり終盤まで、接戦にはなるだろう。しかし最後は、岩鬼の“グワラガキーン”打法か、山田の“やっぱり山田はスゴイ”ホームランが飛び出し、明訓が差し切ると予想する。

 

 

2.明訓高の“弱点”

 

 とは言え……順当な予想だけしても、つまらない。そこで私なりに、墨高が明訓を倒せる可能性を探ってみることにした。

 

 これは「ドカベン」ファンの方でも認めるかと思われるが(汗)、明訓打線は上位と下位の差が激しい。山田を一番に置いた弁慶戦で敗れたのは、山田の前にランナーを出せなかったことも大きな要因だろう。

 

 また意外にも、速球派投手に弱い。不知火(白新)や土門(横浜学院)のような超高校級投手だけでなく、弁慶高の義経のような“よくいる本格派”にさえ、山田以外はほぼ抑え込まれている。

 

 さらに山田自身も、まったく弱点がないわけではない。犬神(土佐丸)や犬飼知三郎(室戸)に苦しめられたことから、比較的“軟投派に弱い”ということは言える。

 

 

3.打倒・明訓の秘策!!

 

 以上のことから、次のような対策を考えた。

 

 まず先発投手は、井口。岩鬼は全球ど真ん中にストレートで抑えられるとして、問題は二番殿馬、三番里中である。この二人を塁に出すと、ビッグイニングを作られる危険がある。

 

 だが二人とも、あまり速球派投手を打ち込んでいる印象はない。カーブを見せ球に速球とシュートのコンビネーションで、力でねじ伏せる。ランナーなしで山田なら、ホームランでも一点だ。

 

 しかし……もし山田の前にランナーを出したら、彼にだけワンポイントを起用する。もちろん多彩な変化球を誇る、イガラシである。

 

 山田に対して、当然ストレートは一球も投げない。インコースにシュートを続け、ファールを打たせて追い込み、カウントツー・スリーから「歩かせてもいい」ぐらいの気持ちで、イガラシ得意の“落ちるシュート”を投じる。引っかけてサードゴロ。

 

 また明訓不動のエース・里中に対しては、変化球をファールにして真っすぐ狙い。弁慶戦で、安宅にヒット性の当たりを打たれていることから、里中の真っすぐは誰にも打てないほどの威力はない。

 

 里中から三点以上取れば、墨高にも勝ち目が出てくる。あとは山田とそれ以外を分断、最悪ソロホームランだけであれば、大量点の心配はない。

 

 以上のようにシュミレーションしてみたが、如何だろうか。それにしても、久しぶりに楽しい空想をさせてもらった(少なくとも、某“続編漫画”を批評するよりずっと楽しかった)。何より、作者の方に感謝である。

 

 【関連リンク】

stand16.hatenablog.com