- <はじめに>
- 1.他に方法があるかどうか
- 2.どんな練習も、自分のチームの実態に合わなきゃ意味がない!
- 3.野球の実力は”目に見えるモノ”だけじゃない!!
- 4.イガラシから、読者の皆様への問いかけ
- 【関連リンク】
<はじめに>
みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。
今回は、野球の練習に関してよく言われる疑問に、ぼくなりの解釈を話すことにします。ちょっと難しい話かもしれませんが、結構大事な話だと思いますので、是非とも最後まで聞いて下さい。
ということで、今回のテーマは……
「野球の練習に、長距離走って必要なの!?」
1.他に方法があるかどうか
先に、ぼくの答えを言いますね。ぼく自身は「やる必要がないのなら、別にやらなくていい」と思っています。
意外ですか? でも、ぼくは目的を先に考えるので。墨二中のキャプテンだった時も、長距離走が必要だと思ったから取り入れてただけで、必要ないと思えばメニューから外してましたよ。
あ、そうそう。念のために聞いておきたいんスけど、この質問をしてきてる人達って、ぼくら墨高野球部と同じ“真剣に甲子園出場を目指している”か、それでなくても上位進出を目標にしてるチームなんですよね?
まさかと思いますが、“初戦突破”とか“せめて九回までもたせたい”とか目標の低すぎる連中だとしたら、「どうぞご勝手に」とテキトーにあしらいますよ。
目標が低すぎる、つまり真剣に試合で勝つ気がないんじゃ、どんな練習をしようが意味がないじゃありませんか。そんな連中は、最初から問題外ですよ。
で……ぼくらと同程度かそれ以上の目標を持っているチームだと仮定するとですね。
長距離走には、色々な意味があるんスよ。練習最初のウォーミングアップだったり、精神力の強化だったり、練習終わりのクールダウンだったり。
これって野球に限らず、どんなスポーツでも必要でしょう?
2.どんな練習も、自分のチームの実態に合わなきゃ意味がない!
ちなみに、野球には長距離走が必要ないっていう意見には、こんな理由があります。
・野球はバッティング時のベースランニング以外、自分の所に打球が飛んでこない限り、ほぼ動かない。
・野球には長距離走よりも“ダッシュ・短距離走”が重要である。
あのですね、どちらも「正解」だと思いますよ――炎天下の中で、体力も暑さに耐える忍耐力も身につけていないのに、必要な動きができるならね!
でもね。ぼくら、ロボットじゃないんスよ(苦笑)。炎天下で強敵と戦うプレッシャーに晒される中じゃ、日々のトレーニングの積み重ねがないと、いざって時に動けません。
あ……でもぼく、毎日の練習でランニング(長距離走)をメニューに入れないっていう強豪校の話、聞いたことありますよ。
といっても、その学校はランニングを省くかわりに、ウォーミングアップを一時間以上かけて行うそうです。なんでも監督さんの方針で、アップの段階から実践の動き――例えば背走や斜めの動き等――を取り入れているんだとか。
もっともこの動き、ある程度体を温めておかないと、キツそうですよね。なので……簡単なストレッチとかランニングは、自分でやれと言われるそうですよ(笑)。
話を聞いて、率直にスゴイなあと思いますけど。でも同じことが、果たして墨高や墨二中の野球部でできるでしょうかね(汗)。
ま、できるならやっても良いかもしれませんけど……うちのレベルじゃ、その前にちゃんとランニングをした方が無難じゃありませんか。残念ながら、自分でウォーミングアップを完ぺきにできるには、まだまだ程遠いでしょう。
ただ……そうは言っても、ぼくも今の墨高の練習メニューが「絶対正しい」とは思ってませんよ。三年生が引退すればメンバーも入れ替わるし、チームのレベルも変わってきます。それに合わせて、最適な練習法・練習メニューを考えていくしかないと思いますよ。
3.野球の実力は”目に見えるモノ”だけじゃない!!
ああ、そうだ。さっきの実践の話と絡むんですけど……「野球の実戦で長距離走はないから、やっぱり練習に必要ないんじゃないか」って意見も結構聞かれます。
でもね、ぼく思うんです。野球の実力って、目に見えるモノだけじゃないんですよ。
よく「心・技・体」って言いますよね。この三つのうち、「技」……技術は目に見えやすいんスけど。試合のレベルが上がったり、厳しい展開になったりすればするほど、残りの「心」と「体」(体力)が大きく左右するんですよ。
みなさんも高校野球の試合、特に地方予選を見ていて、思うことありません?
チカラは甲子園常連校とそう引けを取らないのに、なかなか“ここ一番”で勝てないチーム。そういうチームって、ちょくちょく大事な場面でミスをして、それが原因で試合を落としたりしますよね。
ぼくはこれ、さっき言った「心」と「体」がかなり関係してると思うんですよ。
そうですね……例えば、二点リードの終盤。ノーアウト一・三塁のピンチでセカンド正面のゴロ。バックホームするか、ダブルプレーをねらうか、1点やっても一塁か二塁で確実にアウトをもらうか、結構迷う場面ですよね。
こういう時、しっかりと状況を見極めて適切なプレーができるのは、やはり「心・技・体」の三拍子が揃ってないと、難しいじゃありませんか。
4.イガラシから、読者の皆様への問いかけ
最後に――今回はぼくから、みなさんにお聞きしたいことがあります。
知ってのとおり、ぼくら墨高(墨二中)は、けっして野球の名門校と呼ばれる学校じゃありません。それでも“打倒・谷原(やはら)”と“甲子園出場”という目標を掲げて、日々の練習に打ち込んでいます。
ただ、やっぱり格上のチームに勝とうとすれば、傍から見れば目を背けたくなるような厳しい練習、過酷な特訓を自分達に課さなければならない時もあります。また、野球専門のコーチもいないので、時に理に適わないこともやってしまうかもしれません。
でも、それって……オカシイことなのでしょうか? さほど勝ち負けにこだわらず、常識の範囲内で“フツーの部活”をやり通すべきなのでしょうか。
読者のみなさんは、どう思われますか?
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