南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

イガラシくんの野球講座<第20回「イガラシくんの分析・こんな甲子園出場校は要注意!」> ~ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』より~

 

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<はじめに>

 

 みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。

 今回も読者の方からの疑問・質問にお答えしたいのですが……ちょっと現時点で回答するのは難しいので、少し趣旨を変えさせて下さいね。

 

 ペンネーム:itouさんより

―― 墨谷が甲子園に出場したら、要注意と思われる全国の強豪校(プレイボール世界)はどこだと考えていますか? イガラシ君の分析を聞いてみたいです。

 

 ええとitouさん、申し訳ないですが……ぼくも他府県の強豪校、そんなにたくさん知ってるわけじゃないんですよ(汗)。

 あとそもそも、今どこの他府県も地方大会の真っ最中で、出場校自体まだほとんど決まってないかと。なので、そのご質問にはちょっと答えるのは難しいですね(苦笑)。

 

 それと前提として……もしぼくらが甲子園に出られたとしたら、当たり前ですが初出場ってことになりますよね。なので、どこが強いとか弱いとか言ってられる立場じゃないんですよ(笑)。そもそも高校の全国大会というものを知らないので。どこが要注意かと聞かれれば「全部」って答えるしかないでしょう(汗)。

 

 ただ、そこで話が終わっちゃつまらないですよね(笑)。もちろん、よく知らないチームであっても、事前のデータや実際の試合を見れば、ある程度のことは分かってきます。

 

 そこで――ちょっと趣旨を変えて、次のテーマで話を進めていきますね。

イガラシくんの分析・こんな甲子園出場校は要注意!

 

 

1.好投手を擁するチーム

 

 これはもう、説明するまでありませんよね。高校野球というのは一発勝負のトーナメント制なので、一人の主戦投手の力が大きくモノを言いますから。

 

 カテゴリーはちがいますが、ぼくが卒業した後の中学選抜大会で、近藤達が初出場の南ヶ浜中に大苦戦したでしょう? 相手の新浜という左投手、多彩な変化球で墨二打線を大いに苦しめましたよね。ま、あれは近藤達の攻め方が雑だったのも否めませんが(苦笑)。

 

 とにかく野球というスポーツは、0点に抑えれば負けはありません。そしてエラー絡みでも何でも、1点は1点ですから。僅差の勝負に持ち込める相手投手がいるのは、やっぱり警戒せざるを得ません。

 

 

2.出場回数の多いチーム

 

(会場ざわつく)えっ、意外ですか? あ、もちろん有名校だからって、むやみにビビったりすることはありませんよ(笑)

 しかし出場回数が多いというのは、つまり何度も地方大会を制している。もっと言えば、大事な試合でも勝ち方を知っているということなんスよ。

 

 みなさんもおぼえているでしょう? ぼくが墨二で全国優勝した大会の初戦、白新中という伝統校に大苦戦したことを。

 相手の力のかわし方、小技や機動力を駆使して得点する形。投打ともさほど目立った力はありませんでしたが、勝つための術を心得た手強い相手でした。

 

 また高校野球の甲子園大会でも、さほど前評判は高くなかったのに、気が付けば“よく聞く学校”がするするっと勝ち上がっていること、結構ありませんか? やっぱり勝ち方を知っているチームというのは、ここ一番に強いんスよね。

 

 こういうチームは、甲子園で当たりそうだから警戒するというだけでなく、自分達のチーム作りの参考にもなります。その意味でも、注目する必要があるでしょう。

 

 

3.ツーアウトから得点できるチーム

 

 ぼくが最も警戒するのは、こういうチームです。ツーアウトから得点できるというのは、得点パターンが豊富で、なおかつチャンスでの集中力が高いということですから。

 

 例えば簡単に二死を奪った後、四死球やヒットで一塁に出塁されてしまうってことありますよね。並のチームなら「しまったなあ、でも次をちゃんと抑えればいいか」って思えるんですよ。

 

 ところが、二死から得点できるチームというのは、こういう“思わぬ形で出たランナー”というのをムダにしないんです。盗塁やエンドランを仕掛けて、一気にチャンスを広げる。そこでもう一本打たれたら失点。きっちり三人で終われそうだと思っていたのに、こういう点の取られ方はダメージが大きいですよね。

 

4.一芸に秀でたチーム

 

 これはどちらかというと、強豪校が苦手とするチームじゃないかと思います。

 

 強豪校というのは、基本的に走・攻・守のすべてにおいてレベルが高いので、終始相手に隙を与えることなく勝ち切るというパターンが多いです。

 しかし逆に言えば、三つのうちどれか一つでも相手に上回れると、意外な脆さを露呈してしまう場合があったりします。

 

 典型的だったのは、ぼくらが墨二中三年時の地方大会決勝で戦った江田川に、準決勝で敗れた青葉です。打撃は江田川の方がやや上だったかもしれませんが、守備では明らかに青葉……というより、江田川の守備は準決勝以前で負けた学校と比べても、お世辞にも高いとは言えないレベルでしたよね(苦笑)。

 

 しかし江田川は、投手力が突出していました。ええ、井口のチカラです。いつもの青葉なら、たった4点なんて屁でもなかったでしょうが、井口の投球に圧倒され、最後まで自分達のペースをつかめずに終わってしまったんスよ。

 

 高校野球の甲子園大会でも、下馬評では「打力はあるが守備は弱い」とか「投手力はあるが打力が低い」とか言われていたチームが、意外にも上位まで勝ち上がってくること、案外あるじゃありませんか。

 

 一芸に秀でたチームの何が怖いかと言いますと、思いきりが良くて、多少ミスしても士気が落ちないんスよ。エラーしても次打者を三振に取ればいい、失点しても打って取り返せばいいってね。

 

 そういや江田川のヤツら、エラーしてもまるで落ち込む様子なかったですよね。そのくせ人には文句を言って、井口に注意されてましたけど(苦笑)。いくら敵とはいえ、さすがにあれじゃ井口が気の毒になりましたよ(笑)。

 

 でも、ああいうチームだからこそ青葉を破り、ぼくらもあわやというところまで追いつめることができた気がします。

 

 

<終わりに>

 

 さて……最後にみなさんにお聞きしたいのですが。率直に言って、ぼくら甲子園で勝てるでしょうかね? いや、言い方を変えましょう。どんな戦い方をすれば、甲子園で勝てるチームになれると思いますか?

 

 まだ墨高は、都大会を突破できるかどうかっていうレベルなので、正直甲子園のことまで考える余裕がないんですよね(苦笑)。

 

 もちろん都大会を制した暁には、ぼくなりに甲子園で勝ち抜く戦略を必死で考えますけど。みなさんからもヒントをもらえると、助かります! では、今回はこの辺で……

  

 【関連リンク】

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