南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

<俳句>”季語との距離感”って何よ?!

注:この記事は、俳句を学ぶに当たり、あくまでも“私なりの解釈”を述べたものです。したがって、足りない所や間違っている所もあるかもしれません。きちんと俳句を勉強したい方は、書店の入門書を読むことをオススメします。

 

<はじめに>

 

 俳句は、“取り合わせ”の型を習得しさえすれば、思いのほか簡単に作ることができる――質の良し悪しは別にして、だが。

 そう。“取り合わせ”の型を習得しても、すぐさま「プレバト!!」で夏井先生から“才能アリ”をもらえるような句を作れるようになるわけではない。

 

 次に初心者の壁となるのが、“季語との距離感”である。

 

 

1.“季語のある光景”を思い浮かべる

 

 “季語との距離感”って何よ?!――私だけでなく、多くの初心者が思ったことだろう。私もその意味を掴むのに、随分苦労した(というか、今でも理解不十分かもしれない)。

 

 そこで「根からの凡人」の私は、頭の中で“季語のある光景”を思い浮かべることにした。例えば――季語が「紅葉」だとしよう。

 

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 例えば上の写真なら、紅葉の”他”に写っているものを書き出してみる。

・土 ・落ち葉 ・人 ・カメラ ・石 ・休憩所 ・空

 

 この中で、”紅葉がある場所に必ずあるモノ”は、”季語との距離感”が「近い」ということになり、取り合わせに使うにはあまり望ましくない(距離感が近くても名句が生まれる可能性もないことはないが、初心者には難しい)。

 

 上に書き出したモノで言うと、「土」や「落ち葉」は”必ずあるモノ”であり、距離感が近すぎると言える。「空」や「石」はちょっと判断が難しいが、分類すると同じ”自然のモノ”であるため、やや近いと言えるかもしれない。

(※ちなみに「落ち葉」は冬の季語である。)

 

 では、残りの「人」「カメラ」「休憩所」はどうだろう。これらは、紅葉がある場所に必ずあるモノではない。したがって、これら三つが”季語との距離感”がほど良い取り合わせと言えるだろう。

 

2.”季語との距離感”が「遠い」って!?

 

 逆に、”季語との距離感”が「遠い」取り合わせも、良くないとされる(繰り返すが、距離感が遠くても良い句が生まれる可能性はあるが、初心者には難しい)。この距離感が「遠い」という言い回しも、理解に苦労する初心者は多いと思われる。

 

 そこで、今度は上の写真に”ないモノ”を書き出してみる。

 

・学校 ・店 ・画用紙 ・布団 ・宇宙 ・地下鉄 

 

 これら五つの中で、今度は紅葉の景色の中に”あってもおかしくないモノ”を選ぶ。すると、「学校」「店」は、建物の近くに紅葉があったりするので、適当である。

 また「画用紙」も、紅葉をスケッチする人がいるかもしれないので、あってもおかしくない。

 

 問題は「宇宙」と「地下鉄」である。宇宙には紅葉なんてないし、地下鉄から紅葉を見ることはかなり難しい。したがって、この二つは”季語との距離感”が「遠い」となり、取り合わせに使うのはあまり望ましくない。

 

 さて、残りの「布団」である。これも布団で寝ている時、窓の外に「紅葉」が見えている状況も考えられなくはないので、距離感は悪くない。

 ただ、「布団」は”冬の季語”なので、いわゆる”季重なり句”となってしまう。俳句の基本は”季語を主役に立てる”こと。「布団」と「紅葉」を両方使うと、巧くやらない限り、どちらが主役か分からなくなってしまうため、初心者にはオススメできない。

(※ただし、今は「布団」の季節感がそれほどなくなってきているので、この季重なりを許容する方もいらっしゃるかもしれない。)

 

3.まとめ

 

 上記のことを、次のようにまとめてみた。

 

・季語との距離感が近い……季語のある光景に必ずあるモノ

・季語との距離感が遠い……季語のある光景にはほとんどないモノ

◎季語との距離感が良い……季語のある光景に、必ずあるとは限らないが、

              あってもおかしくないモノ

 

 繰り返すが、これはあくまで”私のやり方(解釈)”である。私もまだまだ初級者(もうそろそろ抜けられそうか?)のレベルであり、もっと良い方法、まだ足りていない部分がおそらくあると思う。

 

 この記事は、自分なりに俳句について学んできた過程を覚えておこうと思い、書くことにした。ほんとうは、この記事よりも入門書を読んだ方が確実なのだが、もし参考になる部分があれば、どうぞご活用下さい。