南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

<わたしの推し>悲惨な境遇でも、常に前向きだった少年・梅田トオル ―『ウルトラマンレオ』より―

【目次】

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<はじめに>

 はてなブログにて「わたしの推し」という企画が行われているので、私も便乗してみることにした。今回は、その第1弾である。

 私は基本的に、漫画やドラマ等のストーリー全体を好きになることが多く、特定のキャラクターを“推す”という感覚があまりないのだが、それでもついつい「応援したくなるキャラクター」はいた。そんなキャラ達について紹介することとしたい。

 

1.ウルトラシリーズ史上、最も壮絶な体験をした少年

 ウルトラシリーズを熱心に見ていた方なら、かなり印象的なキャラクターだと思う。『ウルトラマンレオ』に出てくる10歳の小学生、梅田トオル(役:新井つねひろ)である。

 

 ウルトラシリーズに出てくる子供のキャラクターといえば、例えば『ウルトラマン』の星野君や『帰ってきたウルトラマン』の坂田次郎君のように、番組のマスコット的存在であることが多い(もっとも次郎君は、番組途中で兄と姉を失うという辛い経験をしているが)。

 

 しかし、このトオル少年は、次朗君の経験が可愛く思えるほど、かなり壮絶な経験をしている。

 

 まず登場時より母親を亡くしており、さらに番組第3話にして、目の前で父親をツルク星人に惨殺された。さらに、シルバーブルーメ襲来により母親代わり同然だった百子(ゆりこ)、そして唯一の肉親だった妹のカオルをも亡くしてしまう。

 

 これだけの惨い体験をすれば、まだ10歳の少年である。精神に何の影響も及ぼさないはずがない。

 

 第45話「まぼろしの少女」では、妹代わりに面倒を見ていたまゆこ(正体はブラック指令の使いの暗殺者)が取り込まれた円盤生物ブリザードを目の前で倒され、「私は名前が分からない……」と歌い出してしまう。さらに第49話「死を呼ぶ赤い暗殺者」では、同じく円盤生物ノーバに、家族を失い虚ろになった心を利用されてしまう。

 

 ノーバに取り憑かれ、毒ガスを撒き散らしながら家族の幻影を見せられるトオルの顔は、本当に幸せそうで……とても可哀想としか言いようがなかった。この話を見たのは成人してからだったが、不覚にも泣いてしまった。彼が今まで、どれだけの悲惨な体験をして、そのショックに耐えてきたかと思うと、涙が止まらなくなってしまった(ダンに「おまえのその涙で地球が救えるか!」と叱られそうだが……)。

 

2.いつも前向きだったトオル少年

 しかしあれだけの体験をしたにも関わらず、番組全体を通して、トオルはほとんど前向きだった(何話か心を病んだようなシーンもあったが……)。惨劇などなかったかのように、けなげに振る舞い続けた。

 

 その姿が本当にいじらしく、フィクションだと分かっていながら「ガンバレ!」と応援したくなった。

 

 そのトオルに、ウルトラマンレオことおおとりゲンが正体を明かすシーンも、泣かせる。最終話、ブラックエンドからの攻撃に、トオルは必死で逃げた。つまり……ほぼ自力で、自分の身を守ったのである。

 そんなトオルの姿に、ゲンはもう自分の正体を明かしても大丈夫だと判断したのだろう。

 

――トオル、よくがんばったな。トオル、よく聞け。おれは、ほんとうは、ウルトラマンレオなんだ。(獅子の瞳を見せて)ほら、これがレオの印だ。

 

 その時のトオルの笑顔。嬉しそうな、ちょっぴり誇らしそうな表情が、とても印象に残っている。

 

<終わりに>

 最後の戦いを終えた後、ゲンがトオルの前から旅立ってしまったことが、私はとても残念でならない。どこかで再会したと信じたい。例えば、トオルが大人になり、復活したMAC隊員として入隊した時などで。

 そんな二次小説、書いてみようかな……