南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

これぞ高校野球の原点! ~第94回選抜高校野球・大垣日大vs只見~

f:id:stand16:20190707211434j:plain

 

 昨日(令和4年3月22日)の第3試合は、ある意味で注目の一戦となった。21世紀枠による出場の只見高校と、選考にて物議を醸した大垣日大との対戦である。

 

 序盤で試合が決まってしまうかもしれないと思ったが、そうはならなかった。

只見ナインは甲子園の大舞台に呑まれることなく、堂々と自分達のプレーをしてみせた。バッテリーも丹念にコースを突き、集中打を浴びる場面はなかった。やや四球が増えたが、それは厳しいコースを突いたからで、仕方がない。

 

 何より印象的なのは、只見ナインの喜びに充ち溢れたプレーぶりだ。ワンプレーごとに見られる選手達の笑顔。仲間達と互いに声を掛け合う姿。ああ、いいなあ……これが高校野球の原点だよなあと、こちらまで心を洗われた気がした。

 

 それともう一つ。大垣日大ナインにも、拍手を贈りたい。

 

 自分達の選出が物議を醸していることは、彼らの耳にも入ってしまったことだろう。さらに21世紀枠のチームとの対戦ということで、やりにくかった面も多々あったのではないかと想像する。

 

 それでも強豪校らしく、しっかりと勝ち切って見せた。大量点こそならなかったが、相手のミスにつけ込みながら確実にリードを広げていき、守りでも1点は失ったものの、それ以外では相手にチャンスらしいチャンスを与えることはなかった。

 

 個人的には、あの選考自体には私も思うところはあるのだが、大垣日大ナインに非はまったくない。彼らが外野の声に萎縮してしまわないか心配だったが、それに左右されることなく、攻守にその力を発揮することができた。

 

 両校ナインの健闘により、“これぞ高校野球”という試合を見ることができた。敗れた只見ナイン、そして勝った大垣日大ナインの今後の活躍を願う。