南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

楽観的な予想——サッカー日本代表、W杯最終予選ラストの2連戦へ……

 過去のエントリーにおいて、私は再三、ハリルホジッチ監督とサッカー日本代表の現体制について批判してきた。

それでも、このアジア最終予選を突破できるかどうかという点に関しては、かなり楽観視している。終わってみれば2位以内で、“普通に”W杯本大会出場を決めるだろうと。

 日本代表の底力を信じているわけではない。日本、オーストラリアと2位通過ラインを争うサウジアラビアが、おそらく“やらかす”だろうと思っているからだ。

 日本オーストラリアの試合に先立ち、サウジアラビアはUAEとアウェーで対戦する。得失点差でかなり厳しい状況に追い込まれているとはいえ、UAEも第一戦で日本を下しており、明らかに力が劣るチームではない。

 ホームではサウジアラビアが30と快勝しているが、本大会出場が懸かるプレッシャーの中、しかも敵地で同じような試合ができるだろうか。過去2大会、彼らは予選敗退を喫している。経験不足が響いてくるのではないかと思う。

 最終戦まで、日本はサウジアラビアに勝ち点差を詰められなければ良い。サウジアラビアがUAE戦で引き分け以下に終われば、日本はオーストラリア戦で無理して勝ちにいく必要はなくなる。

 運が良ければ、日本は2引き分けでも突破できる。もしサウジアラビアがUAEを下したとしても、最終戦できっちり叩けば何の問題もない——それくらいの余裕は持っていいだろう。たとえ敵地でも、しばらく本大会で(出場していないことも含めて)結果を残していないサウジアラビアに勝てないようなら、W杯へ行く資格はない。

 さて、肝心のオーストラリア戦である。この試合で勝ち点を挙げられないようだと(「1」で済むか「3」が必要になるかは状況によるが)、サウジアラビアの結果に関わらず、本大会出場は厳しくなってしまう。

 あまり序盤から、攻勢に出ない方が良いと思う。こちらの攻撃パターンに慣れられてしまうからだ。前半でリードできれば良いか、後半勝負になった場合、慣れられると点を取るのが難しくなる。焦って前掛かりになれば、カウンターの危険も増える。

 前半は、オーストラリアにボールを持たせる展開で良い。彼らは「ボールをつなぐサッカー」への切り替えを図っているそうだから、それがどのレベルまで達しているのか前半のうちに見極めておきたい。ただし、ディフェンスラインは下げすぎない方が良い。クロスボールのこぼれ球を拾われると、即シュートを打たれてしまう。

 攻勢をかけるなら、むしろ「後半の立ち上がり」だと思う。相手は引き分けでも良い。スコアレスで前半を折り返せば、後半どのように戦うのか多少迷いも生じるだろう。その隙を突くのである。

 なるべく「終盤まで同点」という展開には、持ち込みたくない。オーストラリアが守りに徹してくる。こうなると、点を取るのは難しい。ただし、サウジアラビアがUAEと引き分け以下に終わっていれば、そのまま“お付き合い”しても良いのだが。

 サウジアラビア戦も、同様に“後半勝負”の方がベターだと思う。もし「引き分けでも突破」という条件であれば、無理に点を取りにいくこともない。勝たなくてはならないにしても、序盤から仕掛ける必要はない。じっくりと相手の攻撃パターン、そして守備網の穴を見定めてから、確実に仕留める。

 特に最終戦は、暑さとの戦いにもなる。前半から飛ばし、体力を消耗してしまうと、終盤にミスが出やすくなる。そこを付け込まれれば、取り返しがつかない。

 二戦に共通して言えるのは、“無理なプレー”をしてはいけないということ。例えば自陣でボールを持っている時、パスコースがないのに無理してつなごうとする。あるいは、相手に押し込まれている時間が続いているからと、焦って押し返そうとする。すべて、失点を招くだけだ。

 逆に言えば、プレーを「はっきりさせる」ことが大切だ。攻めるのか、守るのか、凌ぐのか、やり過ごすのか。パスなのか、シュートなのか、ドリブルなのか。前へ行くのか、後ろへ戻すのか。……これには、ハリルホジッチ監督の采配も重要である。ピッチ上の全員に、明確なメッセージの伝わる選手交代を望みたい。

 正直、ハリルホジッチ監督の手腕と現チームの実力には、かなり懐疑的である。ただ期待している部分もあり、それは“負ければ終わり”という厳しい舞台が、指揮官とチームを変えてくれることだ。得意なプレーを見せ付けることでも、戦術を披露することでもなく、ただ「勝つため」「W杯へ出場するため」のプレーに徹する。そういう集団へと変貌できるか。

 さあ、いよいよ決戦である。