南風の記憶

野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。(はてブよろしくお願いします!)

(2021.5.5最新「第48話」更新!)【野球小説】続・プレイボール ~各話へのリンクその他~ <ちばあきお『プレイボール』続編(※リライト版)>

【野球小説】続・プレイボール

 

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1.あらすじ

 ちばあきお「プレイボール」の”もう一つの”続編。

 物語は、あの谷原との練習試合に大敗した直後から始まる。キャプテン・谷口タカオ率いる墨谷高校野球部は、夏の甲子園出場を果たすことができるのか!?

 

2.目次(各話へのリンク) ※2021.5.5最新「第48話」更新

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3.その他関連リンク

①感想掲示

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②小ネタ集(※ギャグテイスト)

 

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ちばあきお『プレイボール』『キャプテン』関連批評記事

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イガラシくんの野球講座<第24回「イガラシキャプテンのチーム作りは、正しかったのか!?」> ~ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』より~

 

  • <はじめに>
  • 1.墨二中として“野球部の在り方”をどう考えるか
  • 2.もっと他に良い方法はなかったのか?
  • <終わりに>
  •  【関連リンク】

 

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<はじめに>

 

 みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。

 本講座は、今回でひとまず最終回としますが、企画者(筆者)はとても気まぐれなので、しれっと再開しているかもしれませんが(苦笑)。

 

 さて。最終回のテーマは、ぼく自身のことです。では、さっそく……

イガラシキャプテンのチーム作りは、正しかったのか!?

 

 これねえ、今でも賛否別れてるんスよね。全国優勝できたから良かったんだとか、いいや結果的に選抜辞退することになったしケガ人も出てしまったんだとか。

 ま……色々言い始めるとキリがないので、結論から言います。

 

 ぼくのチーム作りは、「成功」です。

 

 だってぼく達は、そもそも「全国大会優勝」という目標を立てていたわけですよ。そして、ぼくの指導のやり方にどうこう言う人はいても、ぼくが立てた「全国大会優勝」という目標自体に文句を言う人は、誰もいなかったじゃありませんか。

 

 しかも「全国大会優勝」というのは、ぼくが勝手に言い出したことじゃなく、先代の丸井さんがキャプテンだった頃からの悲願だったわけですよ。

 墨二中野球部の悲願を達成したこと。そのこと自体を非難される謂れはないし、ぼくは今でも誇りに思っています。

 

 ただですね……二つのちがう視点で見てみると、議論の余地はありますよ。

 

 

1.墨二中として“野球部の在り方”をどう考えるか

 

 一つ目は、そもそも墨二中野球部が「全国優勝を目指して良かったのか」という点です。

 

 あの父兄との話し合いで、松尾の母親が「学生の本分は(部活動ではなく)学業だ」と言っていたでしょう。あれ、確かに正しいです(苦笑)。

 

 ちょっと難しい話をしますと――なんであれだけモメたかと言えば、墨二中の“学校の方針”が、はっきりしてなかったからなんです。

 

 例えば青葉や和合なんかだったら、入部の時点で野球漬けの生活になることを、親も本人も覚悟してるでしょう。

 

 でも墨二中は、その辺の方針や体制が中途半端なんですよ。墨二中がそうだとは言いませんけど、よくあるのが「文武両道」とかなんとか。この辺をはっきりさせないから、よく部活動絡みで問題になるわけです。

 

 なので……おそらく校長先生も、ぼくが「全国大会優勝」なんてトンデモナイ目標を立てても、何も言えなかったんじゃありませんか(笑)。

 これが例えば、「部活動は奨励するが、学業に支障があってはならない」とか学校方針に掲げていれば、もっとはっきりぼくらの特訓にノーを突き付けられたし、ぼくらもそれに従わざるを得なかったわけです。

 

 もうぼくは卒業しちゃったんで、何とも言えないんスけど、野球部の在り方は再度議論しなきゃいけないと思いますよ。全国優勝を果たしたおかげで、墨二中は全国区の学校になれたのですが、それをやるには多くの犠牲を払う必要があることも分かったわけですし――ぼくが言えた筋合いはありませんがね(汗)。

 

 ですから墨二中として、いっそ野球部を“学校の看板”として後押ししていくか、それとも学業が本分であるという原点に引き戻すか。そのどっちを選ぶかということになるんじゃないでしょうか。

 

 

2.もっと他に良い方法はなかったのか?

 

 二つ目は……全国優勝したはいいが、もっと他に良い方法はなかったのか?です。

 

 ハイ! これについては、何でも言ってください(汗)。

 ぼくとしては“コレしかない”と思う方法で取り組み、全国優勝という目標を達成することはできましたが、たしかに特訓でケガ人は続出しましたし、野球部以外の学校生活に大いに支障をきたした者もいたでしょうよ。それについては、完全にぼくの責任です。言い訳するつもりはありません!

 

(会場ざわつく)……あれ、なんですその反応は? えっ、ぼくが「あの特訓が間違っていたと認めるとは思わなかった」? いや、べつに間違っていたとは思ってませんよ(笑)。もっといい方法があったんじゃないかと言われれば……そうかもしれないな、と思うだけです。だって、よりよい方法を追求すれは、キリがありませんから。

 

 ただ、ちょっと言い訳……いや(笑)、説明させてください。

 

 ぼくが課した特訓。読者のみなさんには、かなり理不尽に思えたでしょうが……それぞれ理由があったんですよ。

 

 まず至近距離からのノック。

 あれを現役部員はともかく、なぜ一年生にまでさせたのかと随分言われたのですが、ぼくはちゃんと説明したはずですよ――「選抜大会で使える人材を探している」と。

 つまり“今すぐレギュラーになれる人材”を探していたわけで、同じメニューを課すのは当然じゃありませんか。

 

 また至近距離からのノック自体も、ちゃんと意味がありますよ。

 

 読者のみなさんの中には、高校野球ファンの方もいらっしゃるでしょう。甲子園出場校で、打撃がウリのチームの打球、見たことあります? 打ったかと思えば、一瞬でフェンスにぶち当たってたり、ボールが破裂するような音を立てたりするでしょう? あんな打球、やっぱり慣れてないと処理できないですよ。

(※00年の智辯和歌山打線を想像していただければ分かると思います)

 

 次にランニング。よく「野球はそこまで長い距離を走らないから必要ない」という意見を聞きます。ま、ランニングに代わる方法があればいいと思いますが、それさえ必要ないと思う方は、試しに炎天下で草野球でもしてみて下さい。それまで鍛えていれば別ですが、そうでない方は、三打席目辺りで膝が震え出すと思います。

 

 それから、ピッチャーとの距離を縮めてのバッティング。

 あれは今でも、強豪校なんかだと普通に行われている練習です。ま……さすがに三分の一の距離でというのは、やり過ぎだったかもしれませんが(笑)。

 

 あ……それとグラブなしでノックを受けさせるのも、やり過ぎです。そういや最近、硬球のノックを素手で受けさせた高校野球があったそうですね。あれ、フツーに暴力沙汰で訴えられると思いますので、他の指導者のみなさんはやめましょう。

 

 まあ、そういう無意味なキツイだけの練習には、ぼくだって反対です。ただし……キツイ練習を全否定するのは、ちがうと思うんスよ。

 

 よくスポーツで心・技・体と言うでしょう? あれは単なる精神論じゃなく、本当なんですよ。

 

 全国大会での、ぼくらの準々決勝以降の三試合を思い出してみてください。最後までどっちに転ぶか分からない、ギリギリの試合だったでしょう。

 

だからぼくの練習が正しかった、とは言いません。でもの三戦をすべてモノにできたのは、ぼくらに「心・技・体」すべてが備わっていたからということは確かだと思います。

 

 とはいえ……当時のぼくが知らなかっただけで、ほかにチーム強化のもっと良い方法が、探せばあったでしょうね。そういえば、元ノンプロだったという近藤のオヤジさん辺りに聞けばよかったかな。そしたら、ピッチャーの練習がもっと厳しくなったかもしれませんけどね(笑)。

 

 

<終わりに>

 

 さて……全部で24回に及んだぼくの野球講座も、一旦最終回となります。みなさん、少しでも楽しんでいただけたでしょうか。

 では、ぼくは墨高の甲子園初出場に貢献できるように、がんばってきます。次は、みなさんと甲子園で会えることを楽しみにして、しばらくお別れしたいと思います。

 それじゃ、また近いうちに~!!

 

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イガラシくんの野球講座<第23回「丸井キャプテン時代は、ほんとうに“失敗”だったと言えるのか!?」> ~ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』より~

 

  • 1.再試合で青葉を倒した時、みんなが気づかなかったこと
  • 2.選手起用を巡る丸井と他のメンバーとの対立
  • 2.“異端児”近藤をどう扱うか!?
  • 3.チーム作りとは、積み木を置いていくこと
  •  【関連リンク】

 

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<はじめに>

 

 みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。

 需要があったか分からない本講座でしたが(笑)、色々ありまして(注:筆者の勝手な都合)、ひとまずあと二回で一旦終わりにすることにします。

 ラスト二回については、ぼくがずっと語りたかったことをテーマにさせて下さい。

 

 ではさっそく。今回のテーマは……

丸井キャプテン時代は、ほんとうに“失敗”だったと言えるのか!?

 

 これね、特にぼくが墨二中のキャプテン時代に、よく言われましたね。「丸井さんのせいで選抜は初戦負けした」とか、「丸井さんの時はゴタゴタしてたけど、イガラシがキャプテンになってチームが引きしまった」とか。

 

 あの……ぼくは別に、丸井さんを庇うつもりはないんスよ。たしかにあの人の言動がもとで、チーム内がゴタゴタしたことは事実ですし。特に近藤をどう扱うかで、ぼくも随分と苦労させられました(苦笑)。

 

 ただ、あれからぼくもキャプテンを経験して、今こうしてまた後輩の立場に戻って、色々と見えてきたことがあるんスよ。それで思ったのは……ああ、丸井さんって本当に難しい時期に、キャプテンを引き受けてくれたんだなって。

 

 

1.再試合で青葉を倒した時、みんなが気づかなかったこと

 

 みなさんも知ってのとおり、ぼくらは谷口キャプテンの下、連日の猛特訓の末に大幅なレベルアップを図り、その結果あの青葉を倒すことができました。その後、谷口さんから丸井さんへと、キャプテンの座がバトンタッチされたわけですが。

 

 あの時、丸井さんも、他のナインも、もちろんぼく自身も……誰も気づかなかったんですよ。青葉を倒した時点で、墨二中野球部のチーム作りが、“次の段階”へと進んだことを。

 

 チーム作りには、“段階”があるわけですよ。

 

 谷口さんの行ったチーム作りというのは、良くも悪くもフツーの部活動だった墨二野球部に、「諦めない心」「どんな相手でも勝つことは不可能じゃない」という、いわば“チーム哲学”、丸井さんのよく使う言葉を借りれば“墨谷魂”を植え付けたことです。

 

 しかし残念ながら、“その次”にやるべきことを、ぼく自身も含めて誰も気づかなかった。情けないことに、ぼくもそのことに気付いたのは、随分後になってからでした。

 そして気付いたとき、初めて分かったんです――なるほど、だから谷口さんは丸井さんをキャプテンに指名したのか、と。

 

 すみません、回りくどい言い方になっちゃいましたね(苦笑)。

 

 青葉を倒したぼくらが、その次にやるべきことというのは――全国大会を勝ち抜けるチームを作ることだったんです。単に一つの強いチームに勝つだけじゃなく、そういうチームを次々に倒して、真の意味で全国優勝を果たせるチームへと。

 

 

2.選手起用を巡る丸井と他のメンバーとの対立

 

 春の選抜大会前に、丸井さんが「谷口さんの決めたオーダーで戦う」と頑なに主張したのに対し、他のメンバーが「今のキャプテンは丸井さんだから、丸井さんが決めるべき」だと意見して、丸井さんがへそを曲げたことがありましたよね。

 

 まあ……丸井さんは、谷口さんへの尊敬というか信望ぶりが強すぎるというのもあったのですが(苦笑)、実は他のメンバーも、丸井さんに対して説得力のある意見を出せてなかったんです。

 

 今のキャプテンは丸井さんだから、丸井さんがメンバーを決めるべき――そう口にするのはカンタンですが、じゃあ一体どういう基準で決めればよかったんです?

 その基準が分からない限り、これまでで一番成功した方法、つまり「谷口さんの決めたやり方で戦う」ことに縋りたくなるのも無理はないでしょう。

 

 ええ、ぼくは「(青葉を倒すことだけを考えればよかった)今までとちがって、(全国大会とは)あらゆる毛色のちがうチームを倒していかなければならない」――と言いましたよ。ただし、試合後にね。要するに後出しジャンケンです。分かってなかったのは、ぼくも同じだったんスよ。

 

 でも、選抜敗退の原因が分かった後の丸井さんの行動は、さすがでしたよね! なんと全国の強豪・36校との練習試合を取りつけてきたんですから。

 

 あんなこと、フツウできないですよ。まさかの選抜初戦敗退を喫して、チームメイトからも責められて……ほんとうに心が折れても仕方のない状況だったと思いますけど。そんな状況で、チームのためにやるべきことを探し出して実行したわけですから。

 

 丸井さんのスゴイ所は、ここですよね――逆境の時にこそがんばれる

 

 思えばぼくにセカンドのレギュラーを取られた時も、墨高の受験に失敗した時も、影の努力ですべてはね返したわけですから。

 

 そこまで考えが至った時、ぼくは初めて気付きましたよ。谷口さんが丸井さんの何に期待して、後任キャプテンを任せたのか。

 

 

2.“異端児”近藤をどう扱うか!?

 

 そしてもう一つ。話は前後しますが、丸井さんがキャプテンに就任して早々、墨二中野球部にとって大きな課題が降ってきました。

 

 言うまでもなく、近藤の存在です。

 

 実は前年にも、似たような課題があったんですよ。自分で言うのもなんですが……ぼくのことです(笑)。ぼくも草むしりを最初サボりましたし、試合中に先輩に歯に衣着せぬ物言いをしてトラブルを起こしましたし、あげく“1年生は試合に出ない”というルールを知りながら「試合に出せ」と主張しましたし。

 

 でも近藤は、ぼく以上に異端児ですよね。ぼくは“一応”ルールは守って(?)ましたが、ヤツはルールを守る気すらなかったですから(笑)。

 

 丸井さんは近藤とずっとウマが合わなかったですけど、それは他のナインも大して変わらなかったですよ。ぼく自身、何度「コイツ荒川に沈めてやろうか」って思ったか分からないス……って、今のは冗談ですよ、冗談!!(苦笑い。会場凍り付く)

 

 ま、それはともかく。丸井さんが近藤を当初嫌悪した理由は、分かる気がします。

 谷口さんがいた時までも墨高野球部は、とにかく「全員が一生懸命がんばれば、(青葉のような)強敵を倒すことができる」という考え方だったわけですよ。で、丸井さんもその考え方を踏襲した……これ自体は、そんなに間違ってるわけじゃないでしょう? 谷口さんの時と同じレベルのままで良ければ、近藤は排除したって構わなかったんですよ。

 

 でも、それじゃあ次の段階――つまり全国大会で勝ち抜けるチームにはなれないんですよ。

 

 これが青葉のように、好選手がより取り見取りなら別ですよ。しかし残念ながら、うちはそういうチームじゃありません。となれば、性格的に問題があるからといって、近藤を排除するわけにはいかないでしょう。

 

 それに全国優勝を果たそうとするのなら、数々の強敵、数々のピンチ、数々の逆境をはね返せなきゃいけないじゃありませんか。近藤一人くらい組み込める懐の深いチームになれずに、どうして全国優勝なんてねらえるんですか

 

 

3.チーム作りとは、積み木を置いていくこと

 

 とまあ……当初はうまくいかないことが多かったですが、それをすべて丸井さんのせいにしてしまうのは、ちと酷なんスよね。なにせここまで述べてきたように、あの人には“チームの変わり目”という最も難しい時期に、キャプテンを務めてもらったわけですし。

 

 それにぼく自身、丸井さんと一緒にチーム作りをしながら、色々なことを学ばせてもらいましたよ。

 

 例えば、近藤のように能力はあっても集団から浮き上がりがちなヤツを、どうやってチームに組み込んでいくか。全国の強豪校と対する際、どんなプレーが必要でどんなミスが命取りになるか。連戦で勝ち抜いていくのは、どんな準備が必要なのか。……等々。

 

 そういう経験がなければ、翌年の全国優勝はなかったと思いますよ。

 

 これはあるサッカーの有名監督の言葉なのですがね。

 チーム作りとは、積み木を積んでいくようなものであると。しかし、積み木を縦にしか積んでいないチームは脆い。本当にチームを強くしたいのなら、積み木を横にも積まなければならないと(※サッカー元日本代表監督・岡田武史)。

 

 そのサッカー監督の言葉を借りれば、丸井さんが積み木を横に積んでくれたお陰で、墨二中野球部はちょっとやそっとのことではビクともしない、頑丈なチームになれたんスよ。

 

 あの激動の中、丸井さん以外の人にキャプテンは務まらなかったと思います。他の者なら、とっくに心が折れていたでしょうし、ぼくなら付いてこられない者を切り捨てていたでしょうから(笑)。

 

 でも丸井さんは、何があっても、周囲から何を言われても、逃げずに真っ向から立ち向かいました。ぼくからセカンドのレギュラーを取られても、腐らず陰で練習したように。谷口さんはきっと、そういう丸井さんの心の強さを見抜いていたのでしょうね。

 

 ですから……面と向かって言うのはちと照れくさいですが、丸井さんは間違いなく、全国優勝の大きな立役者ですよ!!

 

 

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イガラシくんの野球講座<第22回「イガラシくんが注目する、他作品のキャラクター【後編】」> ~ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』より~

  • <はじめに>
  • 1.前人未到の甲子園通算20勝・逆境にこそ力を発揮する“小さな巨人”!!
  • 2.投手に必要なモノは何かを示してくれた、“普通の”好投手
  • 3.確実に抑える方法が分からない! “野生育ち”の天才スラッガー!!
  • 4.古豪私学を復活へと導いた名捕手!
  •  【関連リンク】

 

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 ※本講座は、ちばあきお「キャプテン」「プレイボール」連載時の時系列をまったく無視しております。

 

<はじめに>

  みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。

 高校野球の地方大会も、そろそろ佳境に入りつつあるようですね。また日本のプロ野球、そして海外のMLBではオールスター戦が終わり、いよいよ後半戦のスタートとなります。

 

 ということで、本講座も前回に続いてお祭り企画、その後半戦です。

イガラシくんが注目する、他作品のキャラクター【後編】

 

(注:筆者自身、それほど多くの野球を題材にした作品を知っているわけではないので、選に偏りもあるかと思いますが、ご容赦ください。)

 

 

1.前人未到の甲子園通算20勝・逆境にこそ力を発揮する“小さな巨人”!!

 

 今回の一人目は、高校野球漫画の代名詞ともいえる名作『ドカベン』(水島新司作)より、明訓高校のエース“小さな巨人こと、里中智(さとなかさとる)です。

 

 里中のエピソードでまず印象的なのは、中学時代、同じチームに小林真司という本格派エースがいて、そのために監督から内野手転向を指示されてるんスよね。

 

 中学生が、指導者にそんなこと言われたら、フツー心折れますよね。でも彼は、それに屈することなく、さらに「自分のストレートでは通用しない」と意地もプライドも捨て、アンダースローの変化球投手として新たな自分のスタイルを決めるわけですよ。

 

 この覚悟、そして実際に変化球を磨き上げ、後に“七色の変化球を操る”と言われる大投手へと変貌を遂げる。その執念には、本当に脱帽です。

 

 ただ……やはり恵まれない体で、相当ムチャな練習も重ねたようですから、何度も肩や肘の故障を繰り返したようですね。それもあってか、野球を諦めることも考えたようですが、厳しいリハビリにも耐え、最後は復活。まさに不死鳥です。

 

 この里中とも、一度戦ってみたいですね。多彩な変化球もそうですが、何よりあの闘志剝き出しの投球スタイル。あの名捕手・山田太郎のリードも併せて、ぼくにどんな投球をしてくるのか楽しみです。

 

 

2.投手に必要なモノは何かを示してくれた、“普通の”好投手

 

 二人目は、今をときめく東大受験漫画ドラゴン桜』の作者・三田紀房の野球漫『甲子園へ行こう』の主人公・四ノ宮純(しのみやじゅん)です。

 

 四ノ宮は、ここまで紹介してきた人物の中では、最も等身大の高校生に近い存在です。

 なにせスピードはそこそこ、おまけにコントロールが悪く、1年生の夏には自らの押し出し四球で逆転負け、3年生の最後の夏を終わらせてしまうんスよ。

……こんな話、結構あちこちに転がってると思いませんか?(笑)

 

 ただ彼の偉かったのは、そこで潰れることなく、“投手”というポジションについてイチから学び直し、本当に実力を付けていったことなんですよ。

 あまり詳しく書くとネタバレになっちゃうので、触りだけにしておきますが、投球フォームの大事なポイントとか、コントロールのつけ方とか、ついつい忘れがちな基本事項について、とても丁寧に描いてくれてます。

 

 そして最後――彼は名門横浜第一の大エース・藤島陽平と戦うことになるわけですが、それこそ高校トップクラスの選手ばかりを集めたチーム相手に、元々は数ある“平凡な投手の一人”であった四ノ宮が堂々と立ち向かっていく姿には、胸を打ちます。

 

 やっぱり世の中、そうそう才能に溢れた人間ばかりじゃありません。しかしたとえ素質に恵まれていなくとも、“正しい努力”をすれば渡り合うことができる。そんな希望を与えてくれる好選手だと思います。

 

3.確実に抑える方法が分からない! “野生育ち”の天才スラッガー!!

 

 三人目は、『ダイヤのA』とその前作『橋の下のバットマン』(寺嶋裕二作)に登場するスラッガー轟雷市(とどろきらいち)です。

 彼は父親が無職という恵まれない環境で、中学の野球部にも所属できず、橋の下で「金のなる木」と書かれたマスコットバットをひたすら振り続けていたそうです。そのバットですが、なんと鉛のような重さで、金属バットが空バットほどの重さに感じたのだとか。

 

 ま……彼の生い立ちに関しては、作品を読んでいただくとして(笑)。試合で対戦するとしたら、正直、彼のようなバッターが一番怖いですね。

 

 例えば谷原のような強豪校のバッターというのは、良くも悪くもある程度“型”にはまった打ち方をしてくるんですよ。アウトコースはおっつけるとか、インコースは押し出すように打つとか。悪いことではないのですが、どのバッターも似たような打ち方をしてくるとなると、対策も立てやすいですよね。

 

 ところが、轟の場合は“彼にしかできないオリジナルのスイング”なので、「こうすれば打ち取れる」というのが、なかなか見つけにくいんスよ。

 

 おまけに描写を見る限り、どのボールもフルスイングしてきますよね。

 これは彼の脅威的なスイングスピードがあってこそ可能なバッティングですが、あんなことをされたら、ジャストミートされればほとんど長打です。うまくタイミングを外すか、ボールの威力で勝つか……理論上は、そのどちらかでしか抑えることはできません。本当に厄介なバッターと言えます。

 

 逆に言えば、味方にすると非常に頼りになりそうですね。どんなハイレベルな投手にも強気で向かっていくあの姿勢は、チーム全体の士気を高めてくれます。また意外に天然で面白そうなキャラなので、チームのムードも明るくしてくれそうですね!

 

 

4.古豪私学を復活へと導いた名捕手!

 

 ラストを飾る四人目は、ぼくが最も“敵に回すと手強い”と感じる相手です。

 “近代高校野球漫画”の傑作ラストイニング』(中原裕作)の主人公チーム・彩珠学院(以下・彩学)の二年生キャッチャー・八潮創太(やしおそうた)ですね。

 

 

 なぜぼくが、八潮をここまで警戒するかと言いますと……彼というか彩学のやり方というのが、ぼくら墨高とよく似てるんスよ。相手を研究し、その長所と短所を見つけ出し、長所を封じ短所を攻めていく。

 

 もちろん、ぼくらも明らかな格下のチームに、研究されたことはあります。でも、あまりに個人能力が違いすぎると、力でねじ伏せることはできるんスよ。

 ところが、彩学はどんなに甘く見ても、戦力的にはぼくらと互角です。

 戦力が互角以上の相手に研究され、短所を徹底的に攻められたら、それは苦しいに決まってます(苦笑)。

 

 また、もう一つ彼を認めなければならないのは、その“探求心”ですね。少しでも疑問に感じたことはすぐに調べ、理解できるまで自分の中に落とし込み、分からなければ監督だろうが相手チームの主力選手だろうが、すぐ聞きに行く。

 

 何といいますか……ぼくはチームが勝つためにどうすべきか考えるのですが、彼は野球そのものを深く理解しようとしている印象ですね。一度うちの部室に招いて、谷口さんや倉橋さん達も交えながら、じっくり野球のことを語り合いたいものです。

 

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イガラシくんの野球講座<第21回「イガラシくんは、なぜ後任キャプテンに近藤を指名したのか!?」> ~ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』より~

  • <はじめに>
  • 1.イガラシが最も懸念したこと
  • 2.近藤世代の強み
  •  【関連リンク】

 

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<はじめに>

 

 みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。

 先週末より日本列島に台風が接近しているようで、各地とも荒れ模様の天候ですね。ということで……本講座でも、『キャプテン』ファンの間で議論を呼んだ“あのテーマ”について、語っていくこととしましょうか(ニヤリ)。

 

 では、さっそく。今回のテーマは……

イガラシくんは、なぜ後任キャプテンに近藤を指名したのか!?

 

 この話、墨二中の同級生や後輩やもちろん、野球部以外のヤツやメディア関係の方達まで、色々な人に聞かれましたよ。

 

 ただ、答えは弟の慎二に言ったとおりです――ほかに誰がいます!?

 

 さすがに慎二達は、よく分かってましたよ。

 牧野じゃ部内の雰囲気がピリピリしすぎるし、曽根や佐藤じゃ神経が細かすぎて、あいつら自身が参っちまいます。そしてあの三人じゃ、「前年度優勝校」という重圧に耐えられません。

 

 となると……消去法ですが、近藤しかいないってことになるじゃないスか。

 

 近藤なら、「前年度優勝校」という重圧なんて、どこ吹く風でいられるでしょうね。なにせ全国大会出場の懸かった江田川戦で、全国大会に出られないことよりも殴られることの方を恐れてたぐらいスから(笑)。

 

 

1.イガラシが最も懸念したこと

 

 ついでに言いますとね。ぼく、近藤が率いる一つ下の世代に、大した期待は持ってないんですよ。連覇して欲しい気持ちなんて毛頭ありませんし、全国大会出場、いや地方予選の準決勝辺りまで進めば御の字じゃありませんか。

 

 えっ、冷たすぎる? まあまあ、もう少しぼくの話を聞いてくださいよ(真顔で)。

 

 要するに、ぼくはこの一年間、最低限チームとしての体を成してくれりゃいいと思ってるんです。それさえできれば、たとえ大会の結果は芳しくなくとも、次の代でいくらでも取り返しはできますから。

 

……どうやらみなさん、まだピンときてないようですね(笑)。

 ですが会社で例えれば、よく分かるんじゃありませんか。成功を収めた創業者の次の代で、事業が上手くいかなくなって、あっという間に会社が傾く……なんて話は、世の中にいくらでも転がっているじゃありませんか。

 

 そして実は、墨二中野球部でも、過去に似たことがあったんですよ。

 墨二の歴代キャプテンで、まず大きな成果(青葉撃破)を出したのは、谷口さんです。その谷口さんが卒業して、丸井さんがキャプテンになり、部内で何が起こったか……みなさんもおぼえているでしょう?(苦笑)

 

 なのでぼく、どこかの機会で言いたいんスけど……丸井さんがキャプテンに就任した頃、部内が少しゴタゴタしてしまったのは、丸井さんだけのせいじゃないと思ってるんですよ。誰がキャプテンでも、あの頃はちょっと難しい時期だったんです。

 

 話を戻すと……ぼくが卒業した後も、同じようなことが起こるんじゃないかって心配したわけです。

 

 牧野にしても曽根にしても佐藤にしても、キャプテンに指名すれば、一所懸命やったでしょうよ。しかしぼくと同じことをすれば「イガラシさんの真似をしている」、ぼくとちがうことをして失敗すれば「イガラシさんならこうしたのに」と、言われがちなんスよ。

 

 これが続けば、キャプテンと他の部員と双方に、ストレスが溜まっていく。そうしてチームが空中分解してしまうのを、ぼくは最も懸念しました

 

 その点、近藤なら失敗を重ねるのはみんな織り込み済みなので(笑)、ヤツが変な方向へ進んでいこうとするのを、みんなして話し合って修正していけば何とかなるんじゃありませんか。それだけの知恵のあるメンバーは揃ってますし。

 

 こんなふうにしていけば、何だかんだチームはまとまっていくと思いますよ。

 そして三年生が引退を迎えた時に、「近藤のせいで苦労したぜ」「なんでワイのせいなんや」とか笑って終われたら、御の字じゃありませんか。

 

 

 

2.近藤世代の強み

 

 ただね……今言った話は、あくまでもぼくの“想定”です。しかし物事というのは、想定“外”のことが起こるから、面白いじゃありませんか!(楽しそうに)

 

 みなさん気づいてるかどうか分かりませんが。実は近藤達の世代、たった一つだけ、ぼくらの世代よりも優れた点があるんですよ。

 

 それはですね―メンバーに全国優勝経験があるという点です。

 

 この経験は大きいですよ。ぼくらにはそれがなかったので、練習メニューを組むにしても何にしても、すべて手探りでしたから。

 

 しかし一度優勝経験を手にしたことで、昨年度に取り組んだことで必要だったこと、あまり必要じゃなかったことを整理して、より効果的なチーム強化が図れるはずです。

 

 そして何より、ぼくが楽しみにしているのは……近藤自身のことです。

 

 弟の慎二の話じゃ……佐々木でしたっけ? JOYってあだ名の。かなり有望な新入生らしいですが、話を聞く限り、これまであまり真剣には野球に取り組んでこなかったらしいですね。

 

 ということは、墨二でしばらく鍛えれば、一気にその才能が開花するかもしれません。それこそ、近藤を脅かすくらいにね。

 

 佐々木だけじゃありません。近藤のヤツ、投手育成を大事にして、例年より多くピッチャーを育てているそうですが。その中から、ほんとうに自分のエースナンバーを奪いかねない人材が出てきたら、アイツどんな顔するでしょうね(笑)。

 

 近藤って、基本的に努力ギライの印象があるでしょう? でも、江田川に井口が出現した時、ヤツの速球に負けまいとかなり奮起して、必死に練習してたじゃありませんか。

 

 考えてみりゃ、近藤って今までレギュラーを奪いっこした経験がないんスよ。

 でももし、そういう相手がチーム内に、しかも後輩に現れたら、きっとあの時以上に必死になると思います。そしたら、もう一段も二段も成長した近藤の姿が見られるかもしれません。

 

 そうなったら……今年の大会も、案外面白いことになりそうじゃありませんか。

 現チームの目標は、今年じゃなく“来年に強さのピークを持ってくること”だそうですけれど。無欲のチームというのは、結構手強いですからね。

 

 ということで。読者のみなさんも墨高だけでなく、近藤達の墨二中の戦いぶりも、ぜひ注目してあげてください!! それでは、また次回~。

 

 

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イガラシくんの野球講座<第20回「イガラシくんの分析・こんな甲子園出場校は要注意!」> ~ちばあきお『キャプテン』『プレイボール』より~

  • <はじめに>
  • 1.好投手を擁するチーム
  • 2.出場回数の多いチーム
  • 3.ツーアウトから得点できるチーム
  • 4.一芸に秀でたチーム
  • <終わりに>
  •  【関連リンク】

 

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<はじめに>

 

 みなさんこんにちは、墨高野球部のイガラシです。

 今回も読者の方からの疑問・質問にお答えしたいのですが……ちょっと現時点で回答するのは難しいので、少し趣旨を変えさせて下さいね。

 

 ペンネーム:itouさんより

―― 墨谷が甲子園に出場したら、要注意と思われる全国の強豪校(プレイボール世界)はどこだと考えていますか? イガラシ君の分析を聞いてみたいです。

 

 ええとitouさん、申し訳ないですが……ぼくも他府県の強豪校、そんなにたくさん知ってるわけじゃないんですよ(汗)。

 あとそもそも、今どこの他府県も地方大会の真っ最中で、出場校自体まだほとんど決まってないかと。なので、そのご質問にはちょっと答えるのは難しいですね(苦笑)。

 

 それと前提として……もしぼくらが甲子園に出られたとしたら、当たり前ですが初出場ってことになりますよね。なので、どこが強いとか弱いとか言ってられる立場じゃないんですよ(笑)。そもそも高校の全国大会というものを知らないので。どこが要注意かと聞かれれば「全部」って答えるしかないでしょう(汗)。

 

 ただ、そこで話が終わっちゃつまらないですよね(笑)。もちろん、よく知らないチームであっても、事前のデータや実際の試合を見れば、ある程度のことは分かってきます。

 

 そこで――ちょっと趣旨を変えて、次のテーマで話を進めていきますね。

イガラシくんの分析・こんな甲子園出場校は要注意!

 

 

1.好投手を擁するチーム

 

 これはもう、説明するまでありませんよね。高校野球というのは一発勝負のトーナメント制なので、一人の主戦投手の力が大きくモノを言いますから。

 

 カテゴリーはちがいますが、ぼくが卒業した後の中学選抜大会で、近藤達が初出場の南ヶ浜中に大苦戦したでしょう? 相手の新浜という左投手、多彩な変化球で墨二打線を大いに苦しめましたよね。ま、あれは近藤達の攻め方が雑だったのも否めませんが(苦笑)。

 

 とにかく野球というスポーツは、0点に抑えれば負けはありません。そしてエラー絡みでも何でも、1点は1点ですから。僅差の勝負に持ち込める相手投手がいるのは、やっぱり警戒せざるを得ません。

 

 

2.出場回数の多いチーム

 

(会場ざわつく)えっ、意外ですか? あ、もちろん有名校だからって、むやみにビビったりすることはありませんよ(笑)

 しかし出場回数が多いというのは、つまり何度も地方大会を制している。もっと言えば、大事な試合でも勝ち方を知っているということなんスよ。

 

 みなさんもおぼえているでしょう? ぼくが墨二で全国優勝した大会の初戦、白新中という伝統校に大苦戦したことを。

 相手の力のかわし方、小技や機動力を駆使して得点する形。投打ともさほど目立った力はありませんでしたが、勝つための術を心得た手強い相手でした。

 

 また高校野球の甲子園大会でも、さほど前評判は高くなかったのに、気が付けば“よく聞く学校”がするするっと勝ち上がっていること、結構ありませんか? やっぱり勝ち方を知っているチームというのは、ここ一番に強いんスよね。

 

 こういうチームは、甲子園で当たりそうだから警戒するというだけでなく、自分達のチーム作りの参考にもなります。その意味でも、注目する必要があるでしょう。

 

 

3.ツーアウトから得点できるチーム

 

 ぼくが最も警戒するのは、こういうチームです。ツーアウトから得点できるというのは、得点パターンが豊富で、なおかつチャンスでの集中力が高いということですから。

 

 例えば簡単に二死を奪った後、四死球やヒットで一塁に出塁されてしまうってことありますよね。並のチームなら「しまったなあ、でも次をちゃんと抑えればいいか」って思えるんですよ。

 

 ところが、二死から得点できるチームというのは、こういう“思わぬ形で出たランナー”というのをムダにしないんです。盗塁やエンドランを仕掛けて、一気にチャンスを広げる。そこでもう一本打たれたら失点。きっちり三人で終われそうだと思っていたのに、こういう点の取られ方はダメージが大きいですよね。

 

4.一芸に秀でたチーム

 

 これはどちらかというと、強豪校が苦手とするチームじゃないかと思います。

 

 強豪校というのは、基本的に走・攻・守のすべてにおいてレベルが高いので、終始相手に隙を与えることなく勝ち切るというパターンが多いです。

 しかし逆に言えば、三つのうちどれか一つでも相手に上回れると、意外な脆さを露呈してしまう場合があったりします。

 

 典型的だったのは、ぼくらが墨二中三年時の地方大会決勝で戦った江田川に、準決勝で敗れた青葉です。打撃は江田川の方がやや上だったかもしれませんが、守備では明らかに青葉……というより、江田川の守備は準決勝以前で負けた学校と比べても、お世辞にも高いとは言えないレベルでしたよね(苦笑)。

 

 しかし江田川は、投手力が突出していました。ええ、井口のチカラです。いつもの青葉なら、たった4点なんて屁でもなかったでしょうが、井口の投球に圧倒され、最後まで自分達のペースをつかめずに終わってしまったんスよ。

 

 高校野球の甲子園大会でも、下馬評では「打力はあるが守備は弱い」とか「投手力はあるが打力が低い」とか言われていたチームが、意外にも上位まで勝ち上がってくること、案外あるじゃありませんか。

 

 一芸に秀でたチームの何が怖いかと言いますと、思いきりが良くて、多少ミスしても士気が落ちないんスよ。エラーしても次打者を三振に取ればいい、失点しても打って取り返せばいいってね。

 

 そういや江田川のヤツら、エラーしてもまるで落ち込む様子なかったですよね。そのくせ人には文句を言って、井口に注意されてましたけど(苦笑)。いくら敵とはいえ、さすがにあれじゃ井口が気の毒になりましたよ(笑)。

 

 でも、ああいうチームだからこそ青葉を破り、ぼくらもあわやというところまで追いつめることができた気がします。

 

 

<終わりに>

 

 さて……最後にみなさんにお聞きしたいのですが。率直に言って、ぼくら甲子園で勝てるでしょうかね? いや、言い方を変えましょう。どんな戦い方をすれば、甲子園で勝てるチームになれると思いますか?

 

 まだ墨高は、都大会を突破できるかどうかっていうレベルなので、正直甲子園のことまで考える余裕がないんですよね(苦笑)。

 

 もちろん都大会を制した暁には、ぼくなりに甲子園で勝ち抜く戦略を必死で考えますけど。みなさんからもヒントをもらえると、助かります! では、今回はこの辺で……

  

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