南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

残り五試合、あと4つ——鹿島アントラーズ2-0サンフレッチェ広島【雑感】

 久々に“らしい”勝ち方ができた。得意の速攻から、前後半の終盤にそれぞれ1点ずつを奪い、2-0。

 

 試合開始直後こそ鹿島アントラーズが押し気味だったが、そこから劣勢に回る時間帯が続き、なかなかチャンスに結び付けることができない。逆に相手の速攻と素早いパス交換から、前後半に一度ずつ「あわや」という場面を作られてしまう。一度目はGK曽ヶ端準のビッグセーブに、二度目はクロスバーに救われ事なきを得る。

 

 相手のサンフレッチェ広島は、攻守の切り替えが早く、運動量も豊富だった。少なくともこの日の試合ぶりからは、下位に沈んでいることが不思議に思えるくらいだ。一時の不振からは、ほぼ脱したと見てよいだろう。

 

 それでも、こういう展開で一瞬の隙を突けるのが鹿島である。

 

 30分、敵陣のハーフウェー付近での競り合いから三竿健斗がこぼれ球を拾い、土居聖真に縦パスを送る。これを受けた土居がそのままドリブルで持ち上がると、左足を一閃。豪快にネットを揺らす。

 

 後半も相手の攻勢を受ける時間が続いていたが、すべて凌ぎ切り、迎えた84分。西大伍のドリブル突破から右サイドへのスルーパスに、伊東幸敏が抜け出し中央へ折り返すと、待っていた鈴木優磨が押し込み追加点。

 

 決して圧倒したと言える内容ではなかったが、守勢の時も高い集中力を保って相手の攻撃を跳ね返し、機を見るや一気に攻勢へと転じる。最近はやや鳴りを潜めていた、鹿島らしい“メリハリ”を、段々と取り戻しつつあるように感じた。

 

 試合前、最も心配していたのが昌子源だった。連戦の疲労からか、ここ数試合はどこか集中力を欠いたようなプレーが見られ、それが失点につながっていたからだ。さらに、先日の代表戦で3失点を喫したことが、メンタル面に影響しないかという懸念があった。

 

 それでも、昨日の試合では概ね安定したプレーぶりだったように思う。ひとまず安堵した。来月には代表で欧州遠征もあるが、「休めない」ということがリーグ戦に影響しないか心配される。せめて怪我なく終えて欲しいのだが。

 

 さて、同時刻に行われた試合で、2位の川崎フロンターレベガルタ仙台を32で下した。退場者を出し一人少ない状況から、残り8分という時間帯で一気の3得点である。こういう勝ち方をしたチームは、勢いに乗ってくる。やはり怖い存在だ。

 

 もっとも、優勝へ向けて今最も優位に立っているのが、鹿島であることに変わりはない。勝ち点差が縮まろうが、さらに開こうが、それは同じである。

 

 結局のところ、一つ一つ勝っていくしかない。

 

 残り五試合。そして現時点で、勝ち点差は5。つまり4つ勝てば、決まりである(川崎の結果次第で、多少変わってくるが)。シンプルに考えれば、それだけのことだ。