南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

分が悪い——横浜Fマリノス3-2鹿島アントラーズ【雑感】

 もし鹿島アントラーズが優勝を逃したとすれば、そのターニングポイントとなる節と言われることになるだろう。

 

 順位が確定するまで、途中の勝ち点差は関係ない。頼むから「独走態勢」などと言わないで欲しい——鳥栖戦で敗れた後のエントリーで、私はこのように書いた。やはり現実は、そう簡単ではない。鹿島が1勝2敗と足踏みした一方、ライバルの川崎フロンターレはきっちり三連勝。一気に僅か2差である。

 

 迎えた、今節の横浜Fマリノス戦。率直に言って「ひどい試合」だった。

 

 守備に定評のあるチームとの対戦で、立ち上がりにセットプレーから簡単に失点する。1点ビハインドにも関わらず、センターバックが凡ミスで追加点を献上する。2点ビハインドを追い付いた後、勢いに任せて前掛かりになったところを、カウンターと相手の個人技一発でかわされ勝ち越し点を許す。

 

 青い。あまりにも青すぎる。まるで数年前の、「試合は面白いが勝てない」時期の鹿島のリプレイを見ているかのようだった。第三者から見れば“面白い試合”だったかもしれないが、これは鹿島の試合ではない。というより、「優勝するチーム」の試合ではなかった。

 

 敗北主義ではないが、個人的には「勝たなくてよかった」と思う。なまじ勝ち点を得て、メディア等で“鹿島・伝統の勝負強さ”などと書かれては、目も当てられない。

 

 ピッチコンディションや判定等、幾つかの不運もあったことは確かだ。しかし、それを言い訳にはできない。3失点したことは事実だし、普通は3点も取られてしまえば、まず勝てない。

 

 もう一度、ギアを上げられるか——鳥栖戦後のエントリーで、私はこうも書いた。現時点で、どうやら川崎は完全にギアを上げたらしい。前節の仙台戦で、残り8分からの大逆転。今節も、広島に完勝。この勢いがどこまで保つかは分からないが、少なくとも今は鹿島が劣勢だ。それを認めざるを得ない。

 

 とはいえ、今節の前とさほど状況は変わらない。残り4節となったが、4勝すれば優勝だ。勝ち星で川崎が上回れば、逆転を許す。繰り返しになるが、もう一度ギアを上げて“勝ち点3”を積み上げていけるか。それ以上でもそれ以下でもない。

 

 ただ——今日の試合を見る限り、どうも分が悪い。正直なところ、私はそう感じている。