南風の記憶

沖縄の高校野球応援! また野球小説<「続・プレイボール」ーちばあきお原作「プレイボール」もう一つの続編」連載中。俳句関連、その他社会問題についても書いています。

ポーランド戦の論点整理と、ベルギー戦の展望

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 前々回のエントリーにて、論点が未整理のまま記事をアップしてしまったので、改めて整理しておきたい。

 

 ポーランド戦の西野朗監督の「残り15分の采配」について、私は“消極的賛成”の立場を取る。理由としては、いつ追加点を許してもおかしくないほど悪い流れだったから。

 

 無理に同点を狙いにいってさらに失点を重ねるリスク。コロンビアがセネガルに追い付かれ、セネガルに勝ち点で逆転されるリスク。……2つを天秤にかけた場合、確かに「コロンビアが勝ち切る」ことに期待する方が、まだ確率は高いだろう。

 

どちらもリスクであることに変わりはないが、あえて一つ選べと言われれば……私も“コロンビアの勝ち”に賭けたと思う。

 

 だからといって、手放しで賛成するのではない。あの「時間稼ぎの采配」自体が悪いのではなく……そうせざるを得ない状況を作ってしまったことが問題だった。直接的に言えば、先発の“6枚替え”である。特にセンターラインの3人(大迫勇也柴崎岳昌子源)のうち2人までも替えてしまい、日本は前二戦とはまったく別のチームになってしまった。

 

 この点は、前々回のエントリーでも書いたので詳述は避けるが、とにかくセンターラインが入れ替わったことでリズムを崩し、結果としてあのようにリスキーな選択を迫られる羽目になってしまった。……それが真相だったように思う。

 

 ただ――不完全燃焼な形でグループリーグ突破を果たしたことは、結果として、日本代表に新たなエネルギーをもたらしてくれたはずだ。

 

 次戦に向けての、強いモチベーションである。

 

 過去二回のグループリーグ突破を決めた試合は、二試合とも完勝だった。このことが、まだ試合が残っているにも関わらず、チームにもファンにも、どこかもう満足したようなムードを与えてしまっていた。そして……日本は、いずれも決勝トーナメント一回戦で敗れた。

 

 今回は違う。日本代表はまだ、エネルギーを使い果たしていない。まだ十分に残っている。課題もありながら、余力を残しながら、それでもグループリーグ突破を果たしたのだ。期待せずにはいられない。

 

 もちろん戦力的には、相手のベルギーの方が上だ。ただ、個人的に好材料だと思っているのは、グループリーグでのベルギーは一戦目・二戦目と明らかな格下相手に圧勝していること。三戦目はイングランドとの強豪対決だったが、お互いトーナメント進出を確定させた後であり、どこか譲り合いのような展開だった。つまり、こちらの100%以上を出さなければならない状況での試合を、ベルギーは今大会でまだ経験していないのだ。

 

 一方の日本代表は、グループリーグの三試合で、いずれも自分達と互角かそれ以上のチームと対戦した。チームとしてギアを上げる感覚を、選手達はすでに知っているはずだ。

 

 ベルギーが100%のパフォーマンスを出してきたら、お手上げだ。その時は、こちらも素直に降参するとしよう。ただ、一発勝負のトーナメントで、いきなりフルスロットルというわけにはいかないだろう。

 

 相手が100%を出す前に、まず出鼻をくじく……具体的には、立ち上がり15分がカギとなるだろう。よしんば、この立ち上がりで先取点を奪いたい。点は取れなくとも、ベルギーに「予想していた展開にはならなそうだぞ」と思わせられれば、しめたものだ。そうして相手をリズムに乗せなければ、日本にも十分に勝機はある。

 

 さらに言えば、日本代表の強み――それはチームとして“迷わないこと”である。

 

 今の日本代表は、攻撃においても守備においても、きちんと「チームとしての狙い」をもってプレーしているように見受けられる。また、第三戦の時間稼ぎのような賛否別れるプレーも、(効果的だったかどうかはともかく)選手全員がブレずに貫徹している。つまり、チームとしての迷いがない。選手間の意思統一が、見事なまでに徹底されているのだ。

 

 こういうチームは、簡単には負けない。たとえ強豪といえども、迷いのないチームを相手にするのは厄介なものである。私がもし、他国のサッカーファンだとしたら……今の日本とは対戦したくない。

 

 

 最後に――期待も込めて、ということになるが……明日のベルギー戦、私は「日本が勝つ」と予想する。実力差は重々承知しているが、日本が勝つ要素もある。8年越しに巡ってきたチャンス、今度こそモノにしようではないか。