大阪桐蔭は、確かに強い。選抜優勝時のインタビューで、星子キャプテンが「三度目の春夏連覇を目指したい」と話していたが、十分にその力を有していると思う。
しかし、他校にまったくチャンスがないわけではない。“あるパターン”に持ち込めば、多少力量で下回っていたとしても、番狂わせを起こせる可能性はある。
例えば――初回に猛攻を仕掛け、一挙に3,4点もぎ取る。1,2点ではダメだろうが、さすがに序盤で3,4点のリードを許せば、いかに大阪桐蔭といえども慌てるだろう。
慌てれば、普段通りのプレーができなくなり、ミスするようになる。そこに付け込む隙が生まれてくるというわけだ。
もう一つ。これは、鳴門の冨田投手のように、好投手を擁するチーム限定だが……点を取られても最少失点でしのぎ、残塁を増やさせることである。そして、終盤のワンチャンスで一気に得点を重ね、ひっくり返す。
要するに、大阪桐蔭のペースで野球をさせないことだ。
厄介なことに、今年の大阪桐蔭は接戦にも強い。それは選抜大会の一回戦、鳴門に3-1ときっちり勝ち切った試合で証明済みだ。
“少ない得点機をモノにする”という展開になると、大阪桐蔭はおそらく隙を見せないだろう。だから序盤で大きくリードを奪い、慌てさせ、攻守のいずれかでミスを誘う――そんな展開になれば、勝機を見出すことができるはずだ。
逆に言えば……それくらいしか、今年の大阪桐蔭は負ける姿が想像できない。2018年以来、またしても突出したレベルのチームが誕生したことになる。