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第20話 「名将の分析」の巻
「墨高諸君は、百も承知だろうがね」
折り畳み椅子に深く腰掛け、中岡は静かに語り掛けてくる。
「野球というのは……ふとしたことがきっかけで、試合の流れが大きく変わったりする。特に回の終盤は、それが顕著に現れる。とりわけ春夏の甲子園大会のように、舞台が大きくなればなるほどに、ね」
そういやぁ……と、イガラシは思い出す。
――ばかが。終盤、思わぬ形でピンチを迎えるなんてことは、野球じゃありがちだろ。何を今さら、ウブに狼狽えてんだ。
高山も、監督と同じことを言っていたな。ああ見えて案外、素直に人の話を聞ける奴なのか。それとも……監督と同じ視点でモノを見れるほど、あいつが優秀なキャッチャーということなのか。
つい舌打ちをしていた。思い出すのも、考えるのも癪だ。
「その点から言うとね……」
中岡がふいに、にやっと笑う。
「私は谷原より……むしろ君達、墨谷の方を警戒したよ」
予想外の一言に、墨谷ナインはざわめいた。
「か、監督さん。それって……谷原より俺達の方が、強いと」
戸室の浮かれ言葉を、倉橋が「ばぁか」と窘める。
「そりゃあ谷原の方が強いに決まってる。けど……西将さんにしてみりゃあ、選抜で対戦して力量が分かっている谷原より、情報の少ない墨谷の方がやりにくかったってとこだろ」
「ああ、そういうことか」
後方で、横井が相槌を打つ。
「俺らだって、いくら弱くてもよく知らない学校と当たった時は、何となく嫌な感じするもんな。それと一緒かぁ」
ナイン達の会話に、中岡は「ハハハハ」と高笑いの声を上げた。
「賢い子達だ。戦力的には、当然谷原の方が上回るだろう。しかし……それだけで計れないのが、高校野球の難しい、そして面白いところでね」
中岡はふいに、キャプテンの方へと視線を向ける。
「谷口君。君達の最大の強み、何だと思うね?」
「は……そ、それは」
谷口は照れたように顔を赤らめ、口ごもりながら返答した。
「チームワークの良さと、最後まで諦めないこと……でしょうか」
「ふふっ……今、君は何気なく言ったがね」
百戦錬磨の名将は、ふと険しい顔つきになる。
「諦めない……実はこれ、大抵の選手が口にすることだ。どんな弱小校の選手さえ、やたらと『まだ試合は分からない』『野球は九回ツーアウトからだ』とね。ところが……だ」
一つ吐息をつき、中岡は言った。
「墨谷の凄さは、それを本当に実現してしまうところにある」
――real=本当の、真の
“リアル”も変化する。あり得ない、どう考えても無理だと思ってたことが、案外簡単にひっくり返る。それもまた、野球の「リアル」なのだ。
「聞くところによれば、君達……」
妙におどけた顔で、中岡は言った。
「昨年夏。シード校の聖稜と専修館を、立て続けに九回裏の逆転で破ったそうだね」
またもナイン達がざわめく。イガラシは、へぇ……とため息をついた。
やっぱり俺達、丸裸にされていたのか。ほんと油断も隙もありゃしない。高山に負けず劣らず……というか、この人も同じ“狸”というわけだ。
「近年の戦績を元に、我々は君達を分析させてもらった」
一転して淡々とした口調で、中岡は話を続ける。
「さっき“流れ”ということの話をしたが……墨谷の特徴は、その流れを引き寄せる術に長けている。我々は、君達をそのように見た」
そう言うと、ふいに「くくっ」と笑い声を漏らす。
「戦ってみて、その理由がよく分かったよ。墨谷は攻守において、選手間の意思統一が図れている。初回のカーブ狙い、六回の待球策。こうと決めたら、誰もがブレることなくそれを実行する。なかなかできることじゃない。付け加えて言うと……そこの、制帽の君」
ふいに中岡が指差した先で、半田がノートを手にメモを取っていた。
「えっ、ぼ……僕ですか」
突然呼ばれ、半田は甲高い声を発した。周囲の部員達は吹き出す。
「半田君、といったっけ。昨年の大会で、君がノートを手に各球場を回る姿を、やはり対戦校の関係者が目撃していてね。そうやって情報を収集し、相手を徹底的に分析する。敵を知っているから、戦い方に迷いがない。だから君の存在は、墨谷にとって大きな武器だ」
中岡の言葉に、横井と戸室が笑って顔を見合わせる。
「まさか西将の監督さんが、半田のことを褒めるなんてな」
「笑いごとじゃない」
中岡が、語気を強めて言った。
「やがて高校野球は、情報収集と分析を細かく行い、それを武器として戦うことが一般的になるだろう。だからこそ、私は野球部内にその専門の班を作った」
倉橋が「そこまでやるのかよ」と、吐息混じりにつぶやく。
「規模は違えど、墨谷も情報収集に力を入れていると聞いて、なるほど……と思ったよ。君達には、先見の明がある。強くなるはずだ、と得心したものさ」
「それで……途中から、次々にレギュラーを?」
谷口が尋ねると、中岡は「ご明察」とうなずく。
「最初から、その予定だったよ。こちらがリードを奪っても、君らがいずれ盛り返してくることは想定していたからね。相手に傾きかけた流れを断ち切る……それがレギュラー陣に与えたミッションだった。この先、こういう展開はいくらでもあるとね」
「……なるほど」
島田が苦笑いを浮かべた。
「どおりで竹田さん、最初からあんな凄い球を」
「ああ。ここを抑えられなければ、エースの座は危ういと、脅したからね。ハハハハ」
笑えねぇよ……と、イガラシは密かにつぶやく。主戦投手候補が何人もいる西将だからこその、リアルな脅しだ。
「しかし……それでも君達は、追い縋ってきた」
褒めているのか呆れているのか、中岡はため息混じりに言った。
「点にこそならなかったが、八裏の久保君のセーフティバントと、イガラシ君のスリーバントスクイズ。そして九回、谷口君の一発……あれはボール球だったが、狙っていたのかい」
「ええ、そうです」
谷口は、きっぱりと答える。
「最終回だからか、バッテリーの配球が慎重に散らしてくるようになってましたから。追い込まれてフォークを投げられると厳しいので、たとえボールでも、狙うなら直球しかないと」
「やはり……君といい、八回の久保君とイガラシ君といい、その判断力には正直舌を巻いたよ。君達を警戒して、正解だった」
中岡の言葉と、試合中に高山が自チームへ向けて発した檄とが、脳裏で静かに重なる。
――おまえら、どこかでまだ墨谷を“格下”だと、ナメてたんじゃねぇか。戦力的には、確かにうちがずっと上だろう。けど試合前、監督が言ってたじゃないか。墨谷みたいなチームこそ『最も注意しなければならない』ってな。
「……少し、矛盾してませんか?」
イガラシは、あえて率直に疑問をぶつけた。
「どういうことだね」
名将は少しも表情を変えることなく、静かに問い返す。
「終盤に流れが変わる原因の一つは、体力の消耗です。本当に、終盤の厳しい局面を経験させたいのなら、なぜ最初からレギュラーを出さなかったのですか」
「うむ。確かに、それは君の言う通りだよ」
拍子抜けするほど、中岡はあっさり答える。
「できれば私もそうしたかったが。これは君らがどうこうじゃなく、うちのチーム事情によるものなんだよ」
苦笑い混じりに言った。
「あの通り、大所帯だからね。もちろんレギュラーメンバーの経験値を上げることも大事だが、それだけじゃなく控えの選手達にもチャンスを与えて、チーム全体の底上げも同時に行う必要がある。うちの場合、控えといってもレギュラーとさほど実力差はない」
自慢めいた話に聞こえなくもなかったが、イガラシは「なるほど」とうなずいた。
「チカラのある者にはチャンスを与えないと、チーム全体の士気に関わりますもんね」
「そう。アピール機会さえもらえなかったと、腐ってしまう者も出てくる。そういう者は、必ず周囲の足を引っ張り始める。時折、有力校が早い段階で負けてしまうことがあるが、裏にこういう事情が絡んでいる場合が多い」
ふと横を見ると、谷口が妙にうなずいている。青葉学院時代を思い出したのかと、イガラシは勝手に想像した。
「かと言って、試合に出してやれる人数は、限られている。この辺りの匙加減が、私の悩みの種なんだが……ともかく、それであのような選手起用となったわけだ」
片瀬が「あの……」と割り込んでくる。
「レギュラーと控え選手とで、バッティングに別々の制約を課したのも、何か理由がおありだったのですか」
「いや。それは、ちょっと違う」
不思議なほど穏やかな眼差しで、中岡は首を横に振った。
「あれは、レギュラーと控え、というふうに分けたんじゃない。あくまでもピッチャーのタイプによって、使い分ける予定だったんだ」
ナイン達が一斉に、谷口へと視線を集める。
「試合中、キャプテンが言った通りだ」
丸井が感嘆の声を発した。中岡は「ほぅ」と目を細めて、先を続ける。
「さっきも言ったように、松川君と井口君、それに谷口君。三人がそれぞれどんな特徴のあるピッチャーかどうかは、事前に情報を仕入れていた。その上で、井口君には“ファーストストライク狙い”、松川君は“ツースリーまで粘る”という制約を設けた」
そう言うと、一瞬渋い顔になる。
「もっとも……それさえ君達には、見抜かれていたようだが」
「じゃあ、もし井口じゃなく、松川さんが先発だったら」
イガラシが尋ねると、中岡は「おそらく君の推測通りだよ」と答えた。
「制約を、レギュラーと控え……というより先発メンバーと交代出場のメンバーとで、逆にするだけだ。元々これは、うちのフリーバッティングでよくやるのだが。どうやら君達も、二番手の西田への対応を見ると、似たような試みをしているようだね」
思わずため息をついた。この人物、やはり油断ならない。
「ただ結果的に、控え選手に“ファーストストライク打ち”をさせたのは、彼らにとって良かったよ。甲子園では井口君と同等か、それ以上の投手と相対すことになる。全国レベルの投手だと、まず甘い球は来ない」
名門野球部の厳しい現実を、中岡はあっけらかんとした口調で伝える。
「厳しいボールでも打ち返せる技術がなければ、あるいは打ち返そうという意思がなければ、到底レギュラーは奪えないぞってな。今まさにレギュラーに入れるかどうかの当落線上にいる彼らに、そういうメッセージを突きつけたかったのでね」
その時、控室の扉が再びノックされた。
半田が応対しようとしたが、谷口に「俺が出るよ」と制止される。扉を開けると、さっきの係員が顔を覗かせた。
「監督そろそろ、お時間です」
「ありゃ。もうそんなに経つのか。分かった今行く」
中岡は立ち上がると、両手を組み軽く伸びをした。
「やれやれ。君達にノセられて、ついつい喋り過ぎてしまった」
谷口が「起立!」と号令を掛け、部員全員を立ち上がらせる。
「監督さん。今日は僕達のために、わざわざ来ていただき、ありがとうございました」
キャプテンの合図とともに、ナイン達は「ありがとうございました!」と一斉に一礼する。
「こちらこそ、ありがとう。とても楽しかったよ」
名将は微かな笑みを浮かべ、さらに一言付け加える。
「近いうち、また会おう……甲子園でな」
「ふぅ……食った、食った」
鈴木がのんびりとした声を発し、三度目のげっぷをした。最後部の席にも関わらず、車内全体へ響き渡る。ナイン達は「あーあー」とずっこけた。
「美味かったなぁ。トンカツに鶏肉、シュウマイ、ご飯も大盛り。おまけにドリンク付き。あんな豪勢な弁当、初めてだよ」
傍らで、半田が「でしょう?」と相槌を打つ。
「招待野球出場校だけの、特製弁当らしいんだ。滅多に食べられないよ」
「辞退した川北の連中には礼を言わないとな。こんな美味い弁当をもらえるなら、毎年招待野球に呼んで欲しいよ」
「オイオイ、呑気に食い物の話してる場合かよ」
二人の左斜め前に座る倉橋が、そう言って窘める。
「俺達が負けた西将相手に、谷原があれだけの試合をして見せたんだ。この後も気を引き締めて、精進していかないと、勝負にならない……いや、そこまで辿り着けるかどうかもあやしくなる」
「しかし、西将にはとことん驚かされるよ」
倉橋の向かい側の席で、谷口は半ば呆れ顔で言った。
「先発したあの宮田っていう二年生投手。さっき半田が言ってた通り、竹田とそう力は変わらないな。その次に出てきた、左腕の遠野にしてもそう」
「ああ、誰が主戦投手でもおかしくないレベルだったな。腹立つくらい贅沢な布陣さ」
横井が「でもよ」と割り込んでくる。
「俺は……逆に、村井の凄さを思い知ったよ。あの打線相手に一人で投げ抜いて、一点に抑えたんだから」
第二試合。谷原と西将学園の一戦は、一対一の引き分けに終わった。
選抜の雪辱を果たすべく、谷原の主戦・村井は気迫の投球。高山にホームランを浴び一点は失ったが、あとは西将打線を散発五安打に封じ、十個の三振を奪う。
しかし、西将も投手層の厚さを見せ付ける。
先発した次期エース第一候補の宮田が、前半四回を僅か二安打に抑える。二番手の遠野が、谷原の四番・佐々木に同点ホームランを打たれるも、やはり四回を投げ被安打はその一本だけ。最終回は、エースの竹田が三者三振で締めた。
「イガラシ君」
ふいに呼ばれ、振り向く。イガラシの斜め前、運転席のすぐ後ろの席に座る片瀬が、生真面目な眼差しを向けている。
「おう。どしたい」
「学校に戻ったら、僕も投球練習を再開したい。できれば君に打席に立ってもらって、何か気付いたことがあったら、言ってもらえると助かる」
一瞬意外に思ったが、そういやぁ……と思い直す。
こいつの球、久しく見てないんだったな。入学直後に見た時は、井口と並んで投げていたせいか、あまり威力は感じなかったが。怪我してたんなら、仕方ないけどよ。
「ああ。そりゃあ……構わねぇけど」
念のため、懸案事項を確かめる。
「怪我の具合、もういいのか?」
「昨日、病院で了解も得てきた。もうバッチリさ」
「よし。そう来なくっちゃ、張り合いがねぇもんな」
ほどなくして、降車ブザーが鳴った。続けて案内アナウンスが流れる。
ふと、車内を眺めた。駅近くのバス停から乗り込んだ時には、連休中ということもあってか、だいぶ混雑していた。それでも市街地を過ぎると、幾らか落ち着いてくる。
その時、おや……と、イガラシは思った。
片瀬の座る席から、二つ後ろ。青のTシャツにジーパン姿の少年の姿が、目に留まる。その端正な顔立ちに、見覚えがあった。
「……あれ、松下さん?」
声を掛けると、少年はすぐに反応した。
「あちゃあ、見つかっちまったか」
顔をこちらに向け、苦笑いを浮かべる。
「やっぱり松下さんじゃないですか」
「シッ。他の連中に気付かれると、騒ぎになる」
松下は、墨谷二中時代の二期上の先輩だ。ポジションは投手。さほど突出した力はなかったものの、強豪・青葉相手に粘り強く投げ抜いた。現在は、城東高校の野球部でキャプテンと主戦投手を務めていると、谷口から聞いていた。
「今日のところは、声を掛けないつもりだったんだ。おまえ達、試合だったろ。みんな、疲れているだろうし」
「とすると……松川さんも、見に来てたんですか?」
「ああ。予選で当たるかもしれないし、偵察のつもりでな。けど……びっくりしたよ、西将相手にあそこまで食い下がるなんて」
「それなら、なおさら声掛けてくれりゃ良かったのに。みんな喜ぶと思いますよ」
「……おや、君達は墨谷高校の野球部かね?」
松下でない声が突然割り込んできたので、ぎくっとする。恐る恐る振り返ると、車内後方の席に固まっていたナイン達に、サラリーマンらしき中年男性が話しかけていた。
「さっきラジオで聴いたよ。大阪の名門校相手に、都立高校が大健闘したとアナウンサーが言ってた。感動したよっ」
谷口が顔を赤らめ「……ど、ドウモ」と返答する。
「ええっ墨谷?」
「あの、たった十人でシード権を獲得したっていう」
サラリーマンの一言を皮切りに、他の乗客達がざわめき出す。
「俺もテレビのニュースで見たぞ。あの西将学園相手に、凄い試合をしたんだと」
「へぇ……西将っていやぁ、春の甲子園の優勝校じゃないか。そんなチーム相手に」
ざわめきは、やがて拍手へと変わる。
「あ、ありがとうございます。今後とも……応援、よろしくお願いします」
顔を赤らめたまま、谷口はぺこっと頭を下げた。その周辺で、ナイン達も一様に照れた表情を浮かべながら、誇らしげに胸を張る。
「……イガラシも、後ろの席に座れば良かったのに」
松下が、からかうように言った。
「そしたら、おまえも拍手してもらえたのによ」
「やめて下さいよ。たかが招待野球、それも負け試合ですよ」
不機嫌に返事すると、かつての先輩は「相変わらずだな」と笑った。
やがて、バスが停まる。松下は立ち上がると「じゃあな」とだけ言い残し、足早に降りていく。その背中が、どこか寂しげに映る。
「何となくだけど」
しばし沈黙していた片瀬が、おもむろに口を開く。
「あまり会いたくなかったみたいだね。君に、というより……僕ら全員に」
「ああ。確かに、そんな雰囲気だったな」
「む……おおっ、ここの席だったのか」
唐突に声を掛けられる。顔を上げると、島田が立っていた。
「何だよ二人とも、そんなところに寂しく座って」
「仕方ないじゃないですか。バスに乗った時は、ここしか空いてなかったんですし」
「ははっそうだったな……ところでよ、今の松下さんじゃないか」
不思議そうな顔で問うてくる。
「はい。さっき少し挨拶して、すぐ降りて行きました」
「何だよ、松下さんも水くさいなぁ……でも。まぁ、仕方ないか」
ため息混じりに、島田は言った。
「どういうことです?」
「イガラシ達が入部する前、松下さんのいる城東と練習試合をしたんだけど……まるで相手にならなくってな」
複雑な思いがよぎるのか、島田は苦笑いを浮かべる。
「城東も弱いわけじゃないんだが、うちがそれ以上にレベルアップしてたもんで、向こうの投手陣じゃ抑えられなかったんだよ」
「そんなに大差が付いたんですか」
「ああ。特に、あの人……松下さんは、一回持たなかったからな。んなもんで、うちがこうして躍進するのを見ると、内心穏やかじゃないんだろうよ」
島田はそう言うと、踵を返し「後でな」と席へ戻っていく。
バスの車窓より、午後の陽が差し込んできた。初夏の日差しだ。「最後の夏」へ向かう日々は、刻々と過ぎてゆく。口にせずとも、墨谷ナインの誰もが実感していた。
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